高校生2人が主人公役 戦国時代、伝説基に創作 茨城・坂東の市民劇団 23日から2日間 「智姫物語」上演

主人公の「智姫」を演じる鳥越めいさん(左から3人目)と高橋和美さん(右端)=坂東市岩井

茨城県坂東市の市民劇団「常世の国ばんどう市民劇場」が23、24日の2日間、同市岩井の市民音楽ホールで「智姫物語」を上演する。地元の伝説を下敷きにしたオリジナル創作劇で、戦国時代をたくましく生きた主人公の智姫を演じるのは2人の女子高校生。出演者らは本番を目前に控えて、熱心に稽古を重ねている。

劇団の設立は2008年。主に坂東市在住の約40人で構成され、コロナ禍以前は毎年公演を行っていた。今回の演目はコロナ禍で延期していた創立10周年記念公演で、戦国時代にこの地を治めていた逆井氏にまつわる伝説から着想を得た。作者は渡辺恒久さん(67)、演出は森田健一さん(37)。どちらも劇団メンバーだ。

物語の舞台は1536年。逆井城が敵に攻められ落城した時に、城主の逆井常繁の娘、智姫が先祖伝来の釣り鐘をかぶって城内の池に入った。戦いの後で池を掘り返したが、智姫も鐘も見つからなかったという。

この伝説を基に戦国の世をたくましく生き抜いた少女の成長を描く。演出の森田さんは「智姫の心の成長を見てもらえたらうれしい」と話す。

智姫は高校3年生の高橋和美さん(23日)と同1年の鳥越めいさん(24日)の2人が演じる。演劇部で声優志望だという高橋さんは「有料の舞台は初めて。いいものを作りたい」、俳優を目指す鳥越さんは「感情の表現が難しいが、精いっぱい頑張る」と意気込みを語った。

出演者は4歳から70代までの22人。会社や学校が終わった後に、市内の稽古場に集まり、練習に励んできた。山田外志枝代表(75)は「公演をきっかけに若いキャストも増え、活気にあふれている。伝説を知らない市民もいるため、多くの人に見てほしい」と話した。

チケットは前売り2000円(高校生以下千円)。当日2500円(同1500円)。前売りはお茶のあらき園(マルエツ内)、のぐち園本店などで購入できる。問い合わせは山田代表(電)090(2147)6149。

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