ガザの飢餓防ぐには陸路の食料搬入拡大しかない=WHO事務局長

[ジュネーブ 21日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は21日、パレスチナ自治区ガザでの飢餓を防ぐには、同地区への陸路による支援物資の搬入を拡大するしか方法はないとの認識を示した。

テドロス氏は栄養失調や病気、十分な水と衛生設備の不足の影響で子どもたちが命を落としているとし、「世代全体が深刻な危機に瀕している」と訴えた。

国連によると、5カ月にわたる戦闘により、ガザ地区のパレスチナ人230万人の間で危機的な食料不足が生じており、一部の地域では飢餓レベルを超えている。

テドロス氏は「空路や海路で食料を届ける最近の取り組みを歓迎するが、飢餓を防ぐための大規模な食料輸送を可能にするには陸路の横断を広げるしかない」と強調。その上で「われわれはイスラエルに対し、より多くの国境を開放し、水、食料、医療品、その他の人道的支援物資のガザへの搬入と配布を加速するよう改めて要請する」と述べた。

イスラエルは、ガザへの人道支援に制限は設けておらず、支援物資の遅れは国連機関の能力不足や非効率が原因だとしている。

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