保津川下り転覆、かじ操作の船頭を書類送検へ

転覆した保津川下りの船の周辺を調べる関係者ら(昨年3月28日午後4時10分、亀岡市)

 京都府亀岡市の桂川(保津川)で「保津川下り」の船が転覆して船頭2人が死亡した事故で、京都府警が22日、業務上過失致死傷の疑いで、当時かじを操作していた別の船頭の男性を書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。

 昨年3月28日午前11時ごろ、亀岡市の乗船場から約5キロ下流の桂川で、乗客25人と船頭4人が乗った船が岩に衝突して転覆した。全員が川に投げ出され、当時51歳と40歳の船頭の男性2人が死亡、乗客十数人が低体温症や打撲などの軽傷を負った。

 捜査関係者によると、府警は船尾でかじを操作し、落水したことで航路の修正ができず、転覆する原因を生じさせたとして、船頭の男性について安全に操船するための注意義務違反があったと判断したという。

 事故を受け、保津川遊船企業組合(亀岡市)は昨年6月、再発防止策を発表した。船頭の落水防止用バンドを船体に設置し、救命具をベスト型と自動膨張型に変更するなどの対策を取った。船頭を対象にした水難救助の実技訓練を重ね、同7月中旬、事故から約3カ月半ぶりに運航を再開した。

転覆事故現場の地図

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