ヘリコプターを使った遊覧飛行などを手がける「AirX(エアーエックス)」(東京、手塚究CEO)は、航空運送事業のつくば航空(茨城県つくば市、中田俊之社長)と連携し「空飛ぶ車」の実証実験拠点を、同市上境のつくばヘリポートに開設した。21日、同所で開設記念の催しが開かれ、空飛ぶ車のフライトが披露された。
拠点の名称は「つくば空飛ぶクルマテストフィールド」。空飛ぶ車のテスト飛行や技能者育成などに取り組む。安全に効率的に飛ぶための検証を行うほか、人が操縦する有人タイプを扱う操縦士や、整備士、運航管理士を育てる。
つくば航空は、ヘリコプターを扱うノウハウを生かし、設備管理や運用をするほか、有人機の操縦にライセンスが必要になるため、操縦士の育成も担う。
空飛ぶ車は、2025年大阪・関西万博での運航が予定されている。バッテリーで動くため、二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代の移動手段として期待されている。
この日のフライトでは、中国製の無人機が16枚のプロペラで地上約30メートルまで上昇し、事前にプログラミングされた動きで敷地上空を約340メートル飛行した。
エアーエックスの手塚CEO(35)は今後の見通しについて「大阪・関西万博の後、2030年ごろまでに一般に普及させたい。災害時にも有効活用してもらい、さまざまな地域で社会貢献できれば」と話した。