過去最高気温の2月→寒さ感じる3月 県内医療関係者「暖房、衣服で調節を」

寒の戻りで3月に入ってから降雪が続いている県内=今月18日、山形市西田

 山形、酒田など県内16の観測地点で先月、月平均気温が過去最高を記録していたことが21日、山形地方気象台への取材で分かった。2月は厳冬期とされるが、山形は3.0度で、観測を始めた1890年以降で最も暖かかった。一方、3月に入り気温はおおむね平年並みで、降雪は多い地域もみられ、体感的には寒さが厳しい印象もある。今後は気温は上昇する見込みだが、医療関係者は体調管理の徹底を呼びかけている。

 同気象台によると、今冬は日本列島付近の南で偏西風の亜熱帯ジェット気流が北へ蛇行し、寒帯前線ジェット気流が日本の北で強かったため、寒気が南下しにくく、比較的暖かかったという。ただ、3月に入り大陸からの寒気に覆われ、雪が降りやすい天候が続き、寒さも戻ったという。

 同気象台のまとめでは、2月の平均気温は山形3.0度(平年差プラス2.6度)の他は同19日に季節外れの最高気温20.1度を観測した酒田が4.3度(同2.1度)、新庄2.0度(同2.5度)など。最深積雪も肘折(大蔵村)大井沢(西川町)新庄など9地点で観測史上最少となった。ただ今月上旬(1~10日)は平均気温が低く、山形0.9度(平年差マイナス1.6度)、酒田2.5度(同1.3度)。2月が暖かかっただけに、一気に寒く感じ、寒気を伴う低気圧が通過した2~3日や9日は山沿いを中心に大雪の所もあり、冬に戻った印象だ。

 同気象台の藤原昭三調査官は「今月は下旬に気温が低くなる日もあるが、月の後半にかけて気温は高まり着実に春に向かう。少雪で水不足が懸念されたが、3月になり山沿いではまとまった積雪があった」と話した。

 一方「三寒四温」で気温の変化に対応しきれず、体調を崩す人も少なくない。古川医院(米沢市)の古川匡和院長は3月に入り、高齢者を中心に体調不良を訴える患者が多いと指摘する。「だるさや頭の重さを訴え、元気が出ないという人もいる。一日の中で寒暖差は激しく、暖房や衣服を調節してほしい」と話している。

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