FRB利下げ見通し、危うくなれば長期債の弱材料=ブラックロック

Davide Barbuscia

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通し実現が根強いインフレにより危うくなれば、米長期国債の弱材料になる可能性がある。資産運用大手ブラックロックのポートフォリオマネジャー、デービッド・ローガル氏が21日、予想した。

FRB高官の大半は今週、経済が予想をやや上回る成長を遂げているにもかかわらず、年内に3回の利下げを実施するとの従来の見通しを確認した。

ファンダメンタル・フィクスト・インカム部門のポートフォリオマネジャーであるローガル氏はインタビューで、中長期債にはFRBが政策金利を長期間、高水準で維持するよう迫られるシナリオが十分に織り込まれていないため、インフレが高止まりすれば下落する可能性があると指摘。

また、「供給が多く、経済がかなり堅調」なためタームプレミアムがないとし、デュレーションの長期化には上乗せ金利があるべきだと述べた。

ローガル氏はまた、FRB高官は依然として今年3回の利下げを見込んでいるものの、今後2年間の利下げペースの予想をやや鈍化させたとした。

今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で示された経済・金利見通しで2024年のインフレ予想が引き上げられたのに政策金利予想が変わらなかったのは興味深かったとし、ハト派転換を続けようとする「慣性」がやや働いていることを反映していると分析。「悪い内容のインフレデータが続けば調整が必要になる」とした。

© ロイター