今週は中京競馬場で高松宮記念（芝1200m）が行われる。春のGIシリーズ開幕戦を告げるスプリント戦。昨年は12番人気ファストフォースが制したことで大波乱決着となった。
ここでは、過去10年からルガルとトウシンマカオにフォーカスしたデータを取り上げる。
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■ルガルに「2.3.1.2」データ該当
シルクロードSを制し、重賞ウイナーの仲間入りをはたしたルガル。芝路線に参戦してから安定した成績を残している4歳馬だ。今回は自身初のGIかつ、スプリンターズSで上位独占の馬がこぞって出走するメンバー構成。評価が二分しそうな状況だが、不安の声を一掃する以下データをご覧いただきたい。
・前走芝で2着に0秒3差以上勝利【2.3.1.2】
8頭中6頭が馬券内と高い好走率。前走パフォーマンスから人気馬がほとんどではあるものの、単勝7.7倍のコパノリチャードや同じく5.5倍のファインニードルなど、勝ち馬はガチガチの人気だったというわけではない点に配当妙味を見出せる。
中長距離路線はタスティエーラ、ソールオリエンス、ハーツコンチェルトなど経験豊富な古豪相手に苦戦が続く現4歳世代。その一方でスプリント～マイル路線はルガルやビッグシーザー、コレペティトールなどが制しており着実に勢力図を塗り替えようとしている。この路線の“大将格”と言うべきルガルにかかる期待は大きく、圧勝のシルクロードSは「向こう2年はこの馬で大丈夫」と思わせるもの。混迷を極めるスプリント路線、主役の座へ待ったなしだ。
■トウシンマカオに立ちはだかる【0.0.0.9】
ルガルとは対照的に“0％データ”に該当してしまったのがトウシンマカオだ。目下スプリント重賞連勝中と、充実期を迎える5歳馬。昨年のリベンジに向けて鞍上にC.ルメールを配して万全を期して臨む一戦だが、今回はローテーションに関する不安要素が浮上してしまう。
・前走オーシャンS勝ち馬【0.0.0.9】
馬券内ゼロの“0％データ”に抵触。のちのGI馬であるモズスーパーフレアやダノンスマッシュ、ジャンダルムも2桁着順に敗れており、過去データにおけるオーシャンS勝ち馬は“相性最悪”と言わざるを得ない。
この馬の近2走を振り返ると、いずれも外めの枠からストレスなく突き抜ける競馬。外差しが利きやすい馬場傾向が味方した印象は否めない。翻って、今回は内めの枠で道中は馬群のなかで我慢が求められるシチュエーション。GIで存在感をいかんなく発揮するC.ルメールと言えども、馬券内へのハードルは高いものとなりそうだ。
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著者プロフィール
田原基成（たはらもとなり）●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。
