『未来のかけら: 科学とデザインの実験室』21_21 DESIGN SIGHTで 科学×デザインで生まれる未来のデザインに注目

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クリエイターたちが未来に対して思いを寄せるとき、そこに生まれるであろう驚きにあふれた魅力的な世界。デザインエンジニアの山中俊治を展覧会ディレクターに迎え、そうした未来のデザインに注目して企画された展覧会が、3月29日(金)から8月12日(月・祝)まで、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催される。

幅広い工業製品のデザインを手がけてきた山中俊治は、2001年以降は先端技術の研究者たちとともにちょっと先の未来を感じさせる様々なプロトタイプ(試作モデル)をつくってきた。2013年に東京大学に教授として着任してからは、まだ実用化されていない先端技術に形を与えることで、研究者とともに未来を探るプロジェクト「Design-Led X(価値創造デザインプロジェクト)」をスタートさせている。

稲見自在化身体プロジェクト+遠藤麻衣子 「自在」©︎ 3 eyes films, jst erato inami jizai body filter project

山中のそうした活動を核とする今回の展覧会は、今まさに起こっている科学とデザインの出会いによって芽生えつつある「未来のかけら」を探るものだ。と同時に、最先端技術の研究者たちとクリエイターたちの新たな出会いを集めるものでもある。

同展で紹介されるのは、山中が大学の研究室で様々な人々との協働によって生み出してきたプロトタイプやロボット、またその原点となる山中のスケッチだ。これに加え、専門領域が異なる7組の科学者や技術者とデザイナーやクリエイターたちとのコラボレーションによる多彩な作品群が登場する。

A-POC ABLE ISSEY MIYAKE+Nature Architects「TYPE-V Nature Architects project」©️ ISSEY MIYAKE INC.

最先端のロボット工学、積層造形(3Dプリンティング)、構造形態学、身体拡張、バイオエンジニアリングなどの研究における先駆的な眼差しとデザインが出会った今回の「実験室」で生まれた作品は、オブジェ、ロボット、インスタレーション、映像、衣服、骨格模型、デザインプロセスを体験できるソフトウェアなど多岐にわたる。SFのような架空の世界の中のものではなく、質感や動きを伴ってリアルに体験を共有できる作品が並ぶのが大きな魅力だ。

多様な視点が交わる会場は、観る者の想像力がかき立ててくれる場でもある。科学とデザインが織りなす無数の可能性を目撃し、その「未来のかけら」にふれることで、まだ見ぬ未来の世界に向かうデザインの楽しさを体感できる興味深い機会となるに違いない。

<開催概要>
企画展『未来のかけら: 科学とデザインの実験室』

会期:2024年3月29日(金)~8月12日(月・祝)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
休館日:火曜
時間:10:00~19:00(入場は18:30まで)
料金:一般1,400円、大学生800円、高校生500円
公式サイト:
https://www.2121designsight.jp/

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