55歳・預金8000万円。株価が好調なので、投資していないことに焦ります。今からでも始めた方がいい?

みなさんから寄せられた投資や経済ニュースに関するさまざまな疑問に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。今回は、株価が上昇している今、投資に参加するべきかについてです。

みなさんから寄せられた投資や経済ニュースに関するさまざまな疑問に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。 今回は、日経平均が上がっている今、投資を始めるべきか悩んでいる方からの質問です。

Q. 株価が上がっているので、投資をしていないことに焦りを感じます。今からでも投資するべきでしょうか?

「株価がすごく上がっている今、マーケットに参加するのではなく、少し落ち着いた頃に『これはこの会社の実力と将来が反映されてるな』とか感じたら、自分なりの基準を作って“買い”を入れた方がいいのか。特にNISAを利用しなくてもいいと、冷静になるべきでしょうか? 参加していないこと自体にストレスと焦りを感じていて、今のままではいけないと自分に言い聞かせています」(こぶたさん/55歳/女性/専業主婦) <金融資産>現預金8000万円、夫の年収1100万円

A. 「現預金が十分あるので、焦って投資する必要はないと思います」(深野さん)

ご相談者と同じように思っている人は、多いのではないでしょうか。基本的に相場というのは、一本調子で上がり続けることは、過去一度もありません。株価は上昇(または下落)し続けた後、調整されるものです。 例えば、日経平均株価で考えてみましょう。1年の間でも、上下しながら動いていますよね。過去20年ぐらいにおいて、高値をつけた後に安値まで下がった場合(調整局面)の下落率の平均を見てみると、大体14~15%ぐらいです。 そうすると、現在の日経平均株価が3万8500円(※)ぐらいですので、15%下落した場合は6000円ぐらい下がります。このように過去の下落率の平均から考えると、それぐらい下がってもおかしくないということです。 ※2024年2月16日時点の数値になります こういったリスクも踏まえたうえで、どうするか考える必要がありますが、NISA口座は開設しておいてもいいと思います。ただし、「口座を開設したら、すぐ使わないと……」と焦る必要はありません。 投資をするか、しないかを考えることで、ストレスを感じていらっしゃるのであれば、無理に株式相場を見なくてもいいと思います。なぜなら、ご相談者の場合、しっかりと金融資産を持っていらっしゃるので。 投資の神様といわれるウォーレン・バフェットは、基本的に株価がどんどん値上がりしているときは買わずに、次のチャンスをじっと待ち、株価が安くなって、みんなが駄目だと思ったときに買いを出す。だから彼は、リスクを抑えてすごく高いリターンを得られるのです。株式市場が盛り上がっている今は、それぐらい冷静に考えてみてもよいかもしれません。 教えてくれたのは……深野 康彦さん マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。 (文:All About 編集部)

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