パキスタン、経済破綻でIMFの長期支援は不可避=首相

Asif Shahzad

[イスラマバード 21日 ロイター] - パキスタンのシャリフ首相は21日、イスラマバードで開かれた会合で、同国の経済は破綻同然で、国際通貨基金(IMF)による長期的な支援は不可避との見解を示した。

IMFはパキスタンとのスタンバイ取り決め(SBA)として30億ドルの融資枠を設定しており、このうち19億ドルの融資を既に実行。IMFの事務方は20日、残る11億ドルの融資についても合意した。残額の融資はIMF理事会が承認すれば実行される。

シャリフ氏は「来月にIMFから11億ドルの融資を受けられることを希望する。IMFの追加支援がなければ、わが国は存続できない」と述べた。

同氏は、IMFから2―3年の長期支援を受ければ、抜本的な構造改革が必要になると指摘した。同国経済は長期にわたる国際収支の不均衡拡大で強く圧迫されている。

5日間の日程でパキスタンを訪問したIMFの事務方は、同国の当局者が追加支援を受ける意向を表明したと明らかにした。

SBAは4月11日に期限を迎える。IMFは既に、パキスタンが申請すれば中期的な支援措置を講じる方針を示している。

パキスタン政府は長期支援として求める追加融資の規模を公式には発表していない。ブルームバーグは先月、パキスタンが少なくとも60億ドルの融資を求める方針だと報じた。

SBAに先立ち、パキスタンは予算の再検討や金利引き上げに加え、増税による歳入増、電力料金とガス料金の引き上げといった条件を満たさなければならなかった。

その結果、インフレ率は昨年夏に38%にまで高騰、通貨は大きく下落し、経済はマイナス成長に陥った。

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