下関沖タンカー転覆事故、韓国人船長は最後まで船を守り妻に「愛している」=韓国ネット「心が痛い」

22日、韓国・SBSによると、山口県下関市沖で乗組員11人を乗せた韓国船籍のケミカルタンカー「KEOYOUNG SUN」が転覆し、行方不明者の捜索が続いている。資料写真。

2024年3月22日、韓国・SBSによると、山口県下関市沖で乗組員11人(韓国籍2人、インドネシア籍8人、中国籍1人)を乗せた韓国船籍のケミカルタンカー「KEOYOUNG SUN(キョヨン・サン)」(870トン)が転覆し、行方不明者の捜索が続いている。

記事によると、捜索2日目の21日午後に韓国人船長が船室で発見されたが、死亡が確認された。これにより死亡は韓国人2人を含む9人、生存は1人となった。巡視船艇やヘリが残る行方不明者1人の捜索を続けている。

タンカーは姫路港を出発し、韓国・蔚山に向かっていたが、悪天候のため六連島沖で停泊していたという。

記事は「最後まで船を守っていた船長は、船が傾いていく状況の中でも家族にメッセージを送っていた」と伝えている。船長の遺族によると、船長は船が転覆する直前の21日午前7時30分ごろに妻に「愛している」とのメッセージを送った。妻はすぐに「うん、愛している」と返信。それから約2時間後にも「何かあった?」とメッセージを送ったが、返信はなかったという。

船長の遺族は、船長が日ごろから「事故が発生したら必要な措置をとって最後に船を出る」と話していたと明かし、「今回の事故でも船員を先に避難させたようだ。そのため救助されるのが遅かったのではないか」と話した。

また、死亡した機関士の遺族は「乗組員を全員避難させた後に最後まで船に残り、船室で発見された船長に敬意を表する」と話したという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「心が痛む」「緊迫した状況の中でも妻に最後のメッセージを残すなんて(泣)」「最後まで最善を尽くしてくれた。今の時代には珍しい、素晴らしい船長だ」「11人を乗せた船の船長でも死ぬ覚悟を決めて最後まで船を守った。乗客数百人を捨てて真っ先に逃げたセウォル号の船長を思い出してしまう」「残された遺族もつらいよね。船長の愛を胸に頑張って生きていってほしい」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/堂本)

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