スイス中銀、大手銀の流動性・資本要件見直す必要性指摘

[チューリヒ 21日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は21日、システム上重要な銀行に関する規制を見直す必要性を指摘した。クレディ・スイスが事実上破綻したことを受け、銀行側が経営危機に対応できるだけの資金を備え、当局も危機に陥った銀行の安定確保に迅速に動ける体制づくりを訴えた。

中銀のシュレーゲル副総裁は講演で「銀行の流動性要件を改善する必要がある」とし、同時に銀行により多くの担保を準備するよう義務付けるべきと述べた。

また、銀行の自己資本を損失吸収の余地を高める形で構成する必要があるとした。

中銀は昨年、クレディ・スイスの救済で大きな役割を果たし、UBSによる買収を円滑にするため1680億スイスフラン(1870億ドル)の緊急流動性を供給した。しかし、中銀がもっと早く動けばクレディ・スイスの救済買収を回避できたと主張する声もある。

経済協力開発機構(OECD)は先週、同買収がスイス経済に新たなリスクをもたらしたと指摘。規模が一段と大きくなり、TBTF(大きすぎてつぶせない)規制の下でさらに厳しい要件を満たさなければならなくなったとした。

中銀は19日公表の年次報告書で、UBSのシステム上の重要性が高まったと認める国内のルールが必要だと指摘していた。

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