韓国放通委、今年の業務計画を報告…AI生成コンテンツの表示制導入や端末流通法廃止など推進

韓国放送通信委員会は、人工知能(AI)によって生成されたコンテンツについて、その表示を義務化する方針を明らかにした。また、AI関連の被害救済を目的に、利用者保護のための専用窓口も設ける計画だという。

同委員会は21日、「信頼され、革新するグローバルメディア強国」をビジョンとした今年の業務計画をユン・ソギョル(尹錫悦)大統領に報告した。計画では3つの核心課題として、「革新成長基盤の造成」、「メディア公共性の再定立」、「デジタル同行社会の実現」を提示した。

具体的には、まず、AIサービス利用者の保護を強化する。人工知能生成物表示制を導入し、AIを利用して生成したコンテンツを掲示する際、人工知能による生成物であることを明らかにする表示を義務化する。AIサービス被害専用申告窓口も新設する予定だ。

さらに、プラットフォームサービスの障害告知基準時間を4時間から2時間以上に短縮する。グローバル事業者に対しては、国内代理人の資格要件を強化し、健全なデジタル利用環境の造成を推進する計画だ。

通信費負担軽減策としては、「移動通信端末装置の流通構造改善に関する法律(端末流通法)」の廃止を引き続き推進する。携帯電話会社・流通店・格安携帯電話事業者の高額料金プラン加入誘導など法違反行為への点検を通じて、利用者中心の通信市場秩序を確立していく。

また、最近料金を変更したOTT(オンライン動画サービス)などの禁止行為違反有無に関する事実調査を実施する。プラットフォーム利用者を保護するために、ショッピングなど利用率の高いアプリやウェブサービスの加入・利用不便事項も点検する予定だ。

一方、虚偽操作情報の拡散防止や被害の最小化のために虚偽操作情報の根絶総合対策を策定する。プラットフォーム会社の自主規制を活性化させるために、モニタリング・申告処理、技術的・管理的措置などに対するガイドラインの策定を進める。

放送事業者に対する再許可・再承認の際、放送の公正性に対する審査評価を強化し、虚偽・欺瞞(ぎまん)・歪曲(わいきょく)放送で審議規定に繰り返し違反した放送事業者に対しては、放送評価時に減点などの制裁を強化する。

また、私教育費を減らすために韓国教育放送公社(EBS)の中学プレミアム講座の無料提供や、オンラインを通じた無料コンテンツ提供を拡大し、教育放送、地域・中小放送プログラムなど公益的なコンテンツの制作支援を増やす。

同委員会は今後、放送・通信・メディア分野の中長期政策案を盛り込んだ「第6期放送通信委員会ビジョンおよび政策課題」を進める予定だ。

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