ベッド柵で乳児死亡に賠償命令 メーカーの警告不十分と東京地裁

長男の死亡時に使用していたベッドガードの実物を手に、記者会見する父親=22日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ

 生後9カ月の長男がベッド側面に取り付ける転落防止用の柵「ベッドガード」とマットレスの間に挟まれて死亡した事故を巡り、両親がベビー用品メーカー「カトージ」(愛知県犬山市)に計約9300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(西村康一郎裁判長)は22日、製品の設計に欠陥はないが、使用警告の表示が不十分だったとして計約3500万円の賠償を命じた。

 ベッドガードは、柵の下部をベッド枠とマットレスの間に差し込んで使う。判決などによると、2017年8月、東京都世田谷区の自宅寝室で眠っていた長男が、ベッドガードとマットレスの間に挟まれているのを母親が発見。息をしておらず、搬送先の病院で死亡が確認された。

 判決は使用警告について、説明書や外箱に「18カ月未満には適しておらず、絶対に使用しないでください」と記載があったものの、本体には表示しておらず「警告としては不十分だ」と結論付けた。設計の欠陥に関しては、そもそもベッドガードが説明書通りに設置されていなかったなどとして認めなかった。

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