【高松宮記念/データ攻略】牝馬2頭は「かたや鉄板級、かたや即消し級」 短縮ローテ馬の“エグい明暗”

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今週は中京競馬場で高松宮記念(芝1200m)が行われる。春のGIシリーズ開幕戦を告げるスプリント戦。昨年は12番人気ファストフォースが制したことで大波乱決着となった。

ここでは、過去10年からママコチャソーダズリングにフォーカスした「100 or 0%」データを取り上げる。

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■ママコチャの追い風となる「3.1.0.0」

昨年夏からスプリント路線に戦いの場を移し、芝1200mにおけるキャリア2戦目でスプリンターズSを制したママコチャ。姉にGI3勝馬ソダシがいる良血馬がフィールドを変えたことで頂点まで上り詰めた。とはいえ前走阪神カップは5着、気性面に問題を抱える一族の悪い部分が露呈されたとしたら……その不安を払拭するのが以下データだ。

・距離短縮ローテの成績【3.1.0.0】

この条件での馬券内率は100%。距離短縮ローテ×ママコチャは“鉄板級”を示しており、穴党も逆らえないレベルのデータだ。

ママコチャについて補足すると、高松宮記念のぶっつけ本番ローテは早々に決まっており、前哨戦を使えなかったから、という類の臨戦過程ではない。陣営も短縮ローテの有用性をこの馬に当てはめている何よりの証と言えるし、牝馬にとって楽とは言い切れない斤量56キロも経験済みだ。直近のスプリントGIにおけるディフェンディング・チャンピオンとして恥ずかしい競馬にはならないだろう。

■ソーダズリングに【0.0.0.11】の“0%”データ

その一方で、前走京都牝馬S勝利から臨むソーダズリングは不安要素ありと言わざるを得ない。初の1400m戦をものともせず、確かな短距離適性を示した当時。兄姉に重賞ウイナーがいる良血馬がここで一気に花開く可能性はゼロではないが、以下データが好走へのハードルを引き上げる。

・年齢4歳でGI馬券内のない牝馬 【0.0.0.11】

10頭以上の出走があったにもかかわらず、このローテーションでの馬券内はゼロ。モズスーパーフレアやメイケイエールなど、当日2番人気馬も馬券外に敗れた“鬼門データ”だ。

改めて前走を振り返ると、開催が進んだ京都芝で極端な外差し馬場。内枠勢はすべて馬券外に沈んでおり、7枠15番を引き当てたこの馬が得た枠と馬場の利は計り知れないだろう。GIで数々の栄光を手にしてきた武豊騎乗でとりあえず押さえる、の心理で点数が増えてしまうようであれば、思い切って“消し”の選択肢も浮上する1頭だ。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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