県に無償譲渡された長泉町・旧ヴァンジ彫刻庭園美術館…施設活用へ検討進む(静岡県)

2023年に閉館した静岡・長泉町の「ヴァンジ彫刻庭園美術館」。この土地や建物を2月、県が無償で譲り受けました。いま、この施設をどのように活用していくか検討が進められています。

3月21日、ヴァンジ彫刻庭園美術館に集まった芸術や観光、教育といったあらゆるジャンルの委員たち。この美術館の“将来のあり方”について話し合う検討委員会が開かれました。

(県スポーツ・文化観光部 横山 雅機 文化局長)

「民間の活力を利用して、今後賑わいのある施設にしていく。公設民営というかたちでやっていくのが課題としてあります」

2002年に開館したヴァンジ彫刻庭園美術館。館内にはイタリアの現代彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの作品が展示されています。敷地は2万4000平方メートル、庭園を散歩しながらもヴァンジが手掛けた彫刻を見ることができ、多い時には年間6万人以上が訪れていました。

しかし、コロナ禍で経営が悪化し、2022年12月から休館に…。美術館はこれまで寄付を募るなどして運営を続けてきましたが、2023年9月、閉館となりました。存続を願っていた美術館側は、閉館する前の2021年、県に無償譲渡を申し出ていて、それについて検討を重ねていた県は、2月、土地や建物などの譲渡を受け入れました。

2025度中の再開を目指している県。今、決まっている方向性は大きく2つで「民間の活力を利用し収益性のある施設にすること」「東部・伊豆地域の文化振興のために使うこと」が掲げられています。

(県スポーツ・文化観光部 横山 雅機 文化局長)

「レストランや店舗とかいろんな 可能性があると思う。(美術館など)県の中部に集中しているので、出張展示や出張公演などの場にも使える。近くに静岡がんセンターもあるので、患者や家族の癒しの場としての使い方も」

県は今後も検討委員会で話し合いを進め、2024年12月には、どのような施設にするのかを具体的に示す「利活用計画」を策定する方針です。

© 株式会社静岡第一テレビ