中国の工業企業輸出、1~2月は増加に転じる

中国の工業企業輸出、1~2月は増加に転じる

吉林省長春市の長春鉄道総合貨物ヤードで積み込みを待つ自動車。(2月3日撮影、長春=新華社配信/王冶卓)

 【新華社北京3月22日】中国国家統計局がこのほど発表したデータによると、貿易政策による好影響が顕在化するのに伴い、1~2月における一定規模(主要業務の年間売上高2千万元、1元=約21円)以上の工業企業の輸出納品額は2023年12月の3.2%減から0.4%増に転じ、8カ月連続の減少に終止符を打った。

 十大輸出業種のうち8業種で輸出の伸び率が23年12月より拡大あるいは減少幅が縮小し、うち鉄道・船舶・航空・宇宙設備は32.6%、金属製品は20.4%、汎用設備は12.3%それぞれ増加した。自動車輸出は伸びがやや鈍化したが、依然として13.0%の2桁増を維持。消費財製造業の輸出は海外需要の改善にけん引され、23年12月の10.6%減から4.0%増に転じ、うち繊維・アパレル、家具、文化・教育・工芸・美術用品製造業などの伸び率がいずれも大幅に上昇した。 

 主な輸出地域では、浙江省が7.2%増、広東省が4.3%増となり、伸び率は12月を11.9ポイント、10.8ポイントそれぞれ上回った。

中国の工業企業輸出、1~2月は増加に転じる

15日、重慶市璧山区のオートバイメーカー重慶悍威新能源の工場で作業する従業員。同社の製品は中欧班列で欧州へ輸出されている。(重慶=新華社記者/黄偉)

 中国は「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の育成を加速させている。1~2月の一定規模以上の設備製造業の増加値(付加価値額)は前年同期比8.6%増だった。ハイテク製造業は7.5%増で、うち半導体デバイス専用設備製造業が41.2%、集積回路(IC)製造業が21.6%、スマート無人航空機製造業が18.2%それぞれ増加した。関連製品の生産量は3Dプリンターが49.5%増、サービスロボットが22.2%増、ICが16.5%増だった。グリーン(環境配慮型)製品は好調な増勢を維持し、うち新エネルギー車(NEV)の生産量が25.6%、充電ポールが41.8%それぞれ増加した。

 同局工業司の王新(おう・しん)首席統計師は1~2月の工業生産について、昨年の回復・上向き基調を維持したが、複雑で厳しい国際情勢、有効需要不足、企業の経営圧力の大きさなどの課題に対応し、工業経済の回復・上向きの基礎をさらに強固にする必要があると指摘。今後、質の高い発展の要求を新型工業化の全過程で貫くとともに、新興産業、未来産業に焦点を当て、自主イノベーション能力を全面的に向上させ、工業の新質生産力の形成を加速させると述べた。

© 新華社