秦の始皇帝陵一号墓、大量の金銀玉製副葬品や木製馬車の発掘で注目集める―中国

秦の始皇帝陵一号墓から大量の金銀玉製副葬品や木製馬車が発掘され、注目を集めています。

2023年の中国考古学新発見ベスト10の最終選考結果が22日午前に発表されました。その中で、中国西部の陝西省西安市にある秦の始皇帝陵(始皇帝の墓をめぐる一連の墓)一号墓は、秦の始皇帝の墓に隣接していることから特に注目されています。今回秦の始皇帝陵の外郭の西側で実施された発掘で、大・中型の墓9基が東西の方向に並んで発見されました。うち、一号墓はこれまで10年かけて発掘されており、墓道、墓室および3基の車馬副葬坑の発掘がほぼ完了しました。

一号墓は秦の始皇帝陵の外郭の西側約440メートルに位置し、平面では「中」の形を示し、南、北の墓道と墓室の三つの部分から構成され、墓道の両側には三つの車馬副葬坑があります。墓からは大量の陶器、銅器、玉器、鉄器および金銀製の小型葬具が出土しました。金銀製の小型葬具には金銀ラクダ、舞袖俑(俑は人形)、吹奏俑、百戯俑(楽舞・雑技を演奏する人形)、騎馬俑、猟犬などがあります。特に小型の金属俑は、これまでに発掘された大型兵馬俑の造形スタイルによく似ています。

このほか一号墓では、ながえ一本のみの四輪木製馬車も発見され、色彩が付いた四角形の完全な形の車蓋(日差しや雨を遮る傘の役割を果たす)も残っており、鮮やかな赤色が完全に保存されています。副葬坑から5組の車馬が出土したのは極めて珍しいことです。

考古学者によると、一号墓の年代は戦国末期から秦の統一(中国全土統一)までの時期であり、墓に眠る人の身分は極めて高く、秦の「帝国第一副葬墓」であり、これまでに発掘された墓で規模が最も大きく、等級が最も高く、保存状態が最も良い秦の高いランクの貴族の墓であるとのことです。(提供/CRI)

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