鍾乳洞カフェで独特の体験を 雲南省昆明市

鍾乳洞カフェで独特の体験を 雲南省昆明市

16日、宝石洞風景区内の溶洞カフェ。(昆明=新華社配信)

 【新華社昆明3月22日】中国の主要コーヒー産地、雲南省でコーヒーの新たな消費スタイルが若者の人気を集めている。省都・昆明市の市街地から20キロ余りの同市富民県の宝石洞風景区にオープンした「溶洞カフェ」もその一つ。「溶洞」は中国語で鍾乳洞を指し、「溶洞カフェ」は正真正銘の鍾乳洞の中につくられている。

 雲南省にはカルスト地形が広く見られ、鍾乳洞が豊富にある。同風景区も多数の鍾乳洞群からなり、その奥行きは数百メートルに及び、水上と陸上の両方から鍾乳洞を鑑賞できる。カラフルで珍しいメノウが洞内に多く見られることから「宝石洞」の名が付いた。

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16日、コーヒーを紹介する溶洞カフェのバリスタ。(昆明=新華社配信)

 溶洞カフェで6カ月以上働く金倩倩(きん・せんせん)さん(26)によると、同店は2023年10月、風景区と同時にオープン。何億年も前にできた鍾乳洞を見ながらハンドドリップコーヒーを楽しむ独特の体験ができるのが売りで、多くの人がこのカフェ目当てにやって来るという。

 風景区の張健(ちょう・けん)総経理によると、同店はオープン後、鍾乳洞の絶景と独特の消費体験からSNSで大きな話題を呼んだ。韓国や日本から評判を聞きつけて訪れる観光客もいる。週末には多くの客が訪れ、春節(旧正月)期間には1日300~400杯のコーヒーを販売した。これまでに来店した客は延べ3万人に上る。

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16日、溶洞カフェのカウンターで注文する観光客。(昆明=新華社配信)

 鍾乳洞とカフェの融合は、同風景区が新たに開発した業態の一つ。張総経理は、他の業態に比べ、カフェは若者に非常に人気で、中国のSNSアプリ「小紅書(RED)」などでも多くの来店者が「溶洞カフェ」の情報を発信している。

 鍾乳洞にはコーヒー以外にもさらなる開発価値と消費の機会がある。張氏は「将来的にはこの巨大な鍾乳洞でコンサートやコーヒーの競技会を開催したい」と語る。

 雲南省の23年のコーヒー生産量は14万6千トンに達し、中国国内の98%を占めた。同省では各種コーヒー農園や特色あるカフェが新たな観光スポットとして、ますます存在感を高めている。(記者/吉哲鵬、熊軒昂)

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16日、宝石洞風景区の鍾乳洞の景観。(昆明=新華社配信)

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