『今日好き。卒業編2024 in セブ島』5話ーー前回の“思い出の花火”を再現「待っててほしい」

2月19日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。卒業編2024 in セブ島』(以下:今日好き)。現役高校生たちが3泊4日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

以下より、3月18日公開の5話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

・そうた、きさきのために新種の鳥を発見「本当に好きで、たまらないんですよ」

幸せな旅のゴールもあれば、悲しい恋の終わりも……。参加メンバーのうち3名、実に25%もの欠員が生じた、長すぎる2日目にもようやく終わりを告げ、『卒業編2024 in セブ島』メンバー9名は、3泊4日の残り2日間を過ごすボホール島に移動。

この日のグループ行動のプログラムは、2日目終わり際の“花くじ”の結果が明暗を分けた通り。見事に当たりを引き当てたきさき(寺島季咲)が、そうた(米山颯太)を指名して、ふたりきりで“ジンベエザメに会いにいくツアー”に。そうたの親友で、同時にライバルであるえいじ(吉田叡史)は宿泊先のプールにて時間を持て余すほかない。告白前日に過ごす時間の大きさは、過去に幾度もの旅を経験してきたえいじ、そうた、そしてきさきをも含めた全員が、痛いくらいに知っているはずだ。

さて、きさきがそうたを半日デートに誘った理由は、自身の気持ちを整理するため。状況はいまだ、そうたへの想いが日増しに膨らんでいるとのことだが、この重要局面で会話をリードし、彼の緊張をほぐそうとしているあたり、かつての『沖縄編』から始まった通算5回目の旅までの成長を感じざるを得ない。まだ高校2年生ながら、きさきは本当に、大人になったと思う。

書き忘れていたが、ふたりが会話しているのはボートの上。先ほど登場した“沖縄繋がり”ではないが、ふたりの乗るボートの横に、この日のゲストが到着。人生でもう一度見られるか否かというくらいの至近距離で、大きなジンベエザメが姿を現した。そのまま、ふたりして海に飛び込み、ジンベエザメの真横を泳ぐひとときを過ごす。きさきの発した「いままでにない朝だ」が、この体験の貴重さを象徴していた。

だが、本番はここから。海から上がり、ベンチで2ショットに。「前回、覚えてます?」と、そうたが切り出す。取り出したのは、きさきとお揃いにしたフラミンゴのキーホルダーと、彼女のために勉強すると宣誓した、初心者向けの鳥類図鑑。どうやら今回の旅のなかで、“幻の鳥”を発見したらしい。

“幻”という言葉を聞いて、この後の流れをなんとなく読めた読者は総じて『今日好き』ヘビー視聴者かと思われるが、ページをめくった先に待っていたのは、“ソタ鳥”。そうたがきさきとともに、前回のプーケットで乗車したセスナの翼と同じ羽の色と、通常は2本程度ながら、今回はジンベエザメを見つけるため、クロールをするために5本の指を持つ、オリジナルの鳥。おなかの“S”印(=Souta)が、あまりにスーパーマンすぎる(笑)。

そうた曰く、この鳥を見つけた人は、絶対に幸せになれるとのこと。「しんどいことも多かったと思うのよ」「で、いま(ソタ鳥を)見た。だから、この旅を笑顔で帰ってほしい」と、きさきが旅してきた過去5回、合計12泊の17日間に優しく寄り添うそうた。さらに、図鑑の表紙をめくると「大好きです。出逢ってくれてありがとう」のメッセージも。最後には「自分でも気持ちが落ち着かないくらい、本当に好きで、たまらないんですよ」「きさきちゃんのいままでの長い今日好きの旅と、僕の高校最後の恋で、一緒にこの今日好きの旅を卒業したいです」と、精一杯の想いを伝えた。

辛いことはあれど、ここまでの旅は思い出だらけだし、これからも人生は夢だらけ。まさか旅の当初は、あの鳥類図鑑がここまで使い倒されるとは思っていなかったが、その点も含めて、不器用ながらも心温まるシーンの連続だった、きさきとの2ショット。ときには、あからさますぎる仕掛けもあったかもしれない。でも、それもすべて、そうたのピュアな心が映し出されたものである。きさきが旅の途中から、そうたを気になって仕方がない理由が、本当の意味でわかった気がした。

・えいじ、最大の持ち味を発揮した土壇場の2ショット「オレの気持ちの大きさを伝えたい」

この状況で、えいじはどうするのか。あるいは、どうすればよいのか。当事者でないのに画面越しに頭を抱えていたところ、夕食のBBQの時間、えいじ×きさきの2ショットタイムがとうとう訪れてしまった。ただ、さすがは今回の旅の主人公といえる、えいじ。先ほどのそうたと同様、自身の持ち味をよい方向でついに、最大限の形でアピールしてくれた。本当にえらい。

彼のよさは、冒頭から出てきた。「オレの気持ちの大きさを伝えたい」。きさきがどう考えているか、いまはもう関係ない。ここまできたら、自分の気持ちを理解してもらうのみ。そう考えて行き着いた答えは、きさきが好きな黄色に照準を合わせてきた、Nike Air Jordan 1 Low "White/Pollen"。さらに、スマホの裏にはハートのイラストがつながる2ショットのチェキも。そうだ、そういう感じで飾らずアピールすればいいのだ。

とここで、えいじからサプライズが。きさきとの前回の旅での思い出である手持ち花火をもう一度したいという。後ろの茂みから花火を持ってくると、恋の緊張感から解き放たれてだろうか。ふたりで花火に夢中になる、夢のような時間を過ごす。そして最後には、打ち上げ花火も。この場面は頼むからぜひ、見逃し配信を確認してほしい。ただただ、ふたりが打ち上げ花火の行方を見つめるだけの映像。ふたりの顔は映らず、背中のみを映した映像が、あれほど長い時間、『今日好き』でオンエアされたことはないはず。途中、ふたりの思い出がダイジェスト的に挿入される演出が、有無を言わさず涙を誘った。

「気持ち、聞かないって言ってたっけ?」。2ショットの最後、気になる問いかけをしたきさき。彼女からは「じゃあ一晩考えるんで、待っててほしいです」。えいじからは「明日、告白行くんで、待っててください」と、お互いの約束を交わした。ナチュラルな笑いこそ、初登場時からえいじ最大の持ち味としてきたところ。ここまで悩んできたが、最初から答えは手元にあった。えいじの成長も大切だが、えいじはえいじのままでいいのだ。

そうたとともに、多少は不器用なところがあったっていい(今回の旅で不器用でなかったのは、現状は誰が好きなのかわからなくなってしまったもねる/川尻杜音くらいである)。むしろ、年相応な不器用さでも、相手もまた同じ高校生。どんなアプローチだって、その瞳にはリアルに映るに違いないのだから。

(文=一条皓太)

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