コーヒーにAI あの手この手で居眠り運転を防げ NEXCO中日本管内では深夜の死亡事故が多発中

テレビ愛知

NEXCO中日本の居眠り運転防止の一手はコーヒー

車のハンドルを握るドライバーは、様々な要因により事故を起こす恐れがあります。夜の運転で気を付けたいのが『居眠り運転」です。今、居眠り運転を未然に防ぐ取り組みが広がっています。

夜10時の新東名高速道路の岡崎サービスエリア。駐車場にはトラックがずらり。多くのドライバーが、休憩をしていました。その理由は…

ドライバー:
「(SAで)1時間2時間寝たりする。時間が許すときだけ。(運転中に)なるべく寝ないように、事故を起こしたらやっぱり人の命に関わってくるから」

NEXCO中日本管内での死亡事故は、2023年34件発生。そのうち16件が交通量が少ない深夜に起きています。NEXCO中日本は、これらの事故の大きな要因の一つに居眠り運転があるとみています。

ドライバー:
「隣を走っている車が、居眠りか分からないが、寄ってきてというのは経験としてある」

そこで、NEXCO中日本が注目したのが…コーヒーです。コーヒーには、眠気防止効果が高いといわれているカフェインが多く含まれています。

NEXCO中日本は、期間限定で深夜時間帯にコーヒーを無料で配布する取り組みを企画。今後、無料配布期間中と配布していない期間の事故件数を比較するなどして、効果を検証するということです。

車内に響く警告 AIが眠気とわき見を感知

居眠り運転を未然に防ぐ技術も開発されています。

ナウトジャパン・堀尾真允さん:
「こちらのドライブレコーダーが弊社製品のナウト。AIドライブレコーダーが危険を検知して、事故を未然に防ぎます」

一体、どういうことなのか。眠気が襲ってきた時の運転を想定し、実験を行いました。AIドライブレコーダーはドライバーの顔を撮影しています。堀尾さんに眠そうな表情で、運転してもらいます。30秒ほど続けた時…

AIドライブレコーダー:ブルブル…「眠気を感知しました」

車内には大きなアラーム音がなり、ドライバーに警告します。

堀尾さん:
「主に目の動き、頭の動きですが、眠たい時に人が行うジェスチャーを総合的に判断してAIが眠気を検知している」

これまで、地球約10万周に相当する走行データを収集。AIドライブレコーダーは、そのデータを元にドライバーの状況に応じた危険運転を検知し、警告します。

居眠り以外にもスマホを見るなど、わき見を2秒以上続けると警告音がなります。

AIドライブレコーダー:「ピピピ!わき見に注意してください」

AI導入で安全運転の指導時間短縮

開発したのはアメリカのAI開発企業、ナウトです。2018年に日本に進出し、700社以上が導入しています。

ナウトジャパン・赤井祐記社長:
「アメリカはあくまで物流車のみの対応だが、これは(日本の)導入企業700社の内訳になります。医薬・インフラ・エネルギーと、(業界が)非常に多岐に渡っている。携帯電話の(ながら)運転をやめさせたいという客で、営業車やサービスカーにもということで導入をしてもらっている。1000万台くらい、日本のマーケットはあるとみている」

こちらの運送会社は、2024年1月にナウトを導入。作業効率が上がったと言います。

丸全トランスポート中部支社・萱野竜茂支社長:
「(運転手の映像を)チェックする時間が、(これまでの)10分の1とか、20分の1とか。このあたりの時間の短縮は大きかった」

道路交通法では5台以上の自動車を使用する事業所には運行管理者の選任が義務付けられ、運行管理者はドライバーに対して、安全運転の指導をしなくてはいけません。これまでは、この指導に多くの時間をとられていました。

しかしナウトの場合は、危険運転を感知した場面だけが抜粋され、映像として管理者に送られてくるため、指導時間が大幅に短縮されました。

また導入したことで、ドライバーの意識も変わってきたといいます。

萱野竜茂支社長:
「各ドライバーはできるだけいい点数を出そうという運転に変わってきた。自分の悪い癖を画像を見せることで気づいてくれたり、悪い癖を持っている人に注意したり、相互で良い方向に向かっている」

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