市丸グループ創業者・市丸良一さん死去 94歳 中種子町出身、タクシー事業や遊技場、高速船ロケット就航など一代で築く

市丸良一氏

 タクシーや遊技場などを幅広く展開する市丸グループの創業者で会長の市丸良一氏が21日、老衰による肺炎のため鹿児島市の病院で死去した。94歳。通夜は24日午後6時から、葬儀・告別式は25日午前11時、いずれも鹿児島市東千石町21の38、西本願寺鹿児島別院で仏式で行う。市丸家と鶴丸交通の合同葬。喪主は同グループ社長で次男の隆二郎氏。

 中種子町野間出身。旧制鹿児島二中(現甲南高)を卒業。中種子町のでんぷん工場やタクシー会社経営などを経て、1969年、鹿児島市へ進出してタクシー事業に参入した。

 パチンコやボウリング、ガソリンスタンドなどを運営するグループを一代で築き上げた。2004年には高速船事業に進出。出身の種子島・屋久島と鹿児島市を結ぶ高速船ロケットを就航させ、同じ航路でトッピーを運航する岩崎グループと激しく競争した。09年にグループ各社の社長を隆二郎氏に譲り、会長に就いた。

 県澱粉協同組合連合会会長や、1998年から全国連合会会長を務めた。2006年に旭日小綬章を受章。11年には地域振興に対する長年の功績から中種子町の名誉町民になった。

〈関連〉市丸良一氏の出身地・中種子町の位置を地図で確認する

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