十数年の研究開発を経て、原子力分野の「モバイルバッテリー」が登場―中国

海南昌江原発で建設中の「玲竜1号」は、世界初の陸上商用小型モジュール原子炉で、中核集団の「華竜1号」に続く中国原発独自イノベーションの新たな重要成果だ。

海南昌江原発で建設中の「玲竜1号」は、世界初の陸上商用小型モジュール原子炉で、中核集団の「華竜1号」に続く中国原発独自イノベーションの新たな重要成果だ。十数年の苦しい研究開発により、中国原子力動力研究設計院の科学研究者は世界のエネルギーテクノロジーの先端に狙いを定め、玲竜1号を完全に独自に設計・研究開発した。コンパクト、フレキシブル、安全、ユーザーフレンドリーなどの優位性により、原子力分野の「モバイルバッテリー」と呼ばれている。中央テレビニュースが伝えた。

中核集団玲竜1号チーフデザイナーの宋丹戎氏は、「100万kW級の華竜1号をデスクトップPCに例えるならば、10万kW級の玲竜1号はノートPCで、そのディスプレー、本体、キーボードが一カ所に集中している」と説明した。

玲竜1号は小型炉だが、単純に大型原発を小型化したわけではない。宋氏の説明によると、玲竜1号のすべての設計、設備、システム、さらには実証実験は新たな課題で、参考になる経験がなかった。実践しながら総括と調整を行うことは、科学研究者と建設者の「必修科目」になったという。

玲竜1号は2025年末に商業運転を開始する見込みだ。年間発電量は10億kWhに達し、52万6000世帯分の生活の需要を賄える。クリーンエネルギーとしての原発には、安全、グリーン・低炭素、経済的・効果的など複数の優位性がある。玲竜1号1基当たりの二酸化炭素排出量を毎年88万トン削減でき、750万本の植林に相当する。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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