スターダム退団確実のジュリア、“宿命のライバル”中野たむと最後のシングル対決!「私より先にリングを下りる日がきたら必ず私を呼べ」

3月20日、女子プロレス団体・スターダムはビッグマッチ『CINDERELLA TOURNAMENT 2024~優勝決定戦~』を愛知・名古屋国際会議場のイベントホールで開催した。

スターダムがブシロード体制になってから、団体繁栄に貢献してきたのが、中野たむとジュリアによるドロドロとした抗争だ。最初はジュリアに勝つことができなかった中野だが、2021年3月3日に日本武道館(東京)で行なわれた大会のメインイベントで、中野がジュリアと、“白いベルト”の異名を持つ、ワンダー・オブ・スターダム王座と髪の毛を懸けた“敗者髪切りマッチ”を行なった。この日、中野が勝利を掴んだことがきっかけで2人はライバル関係へと発展した。

また、昨年の4月23日に行なわれた横浜アリーナ(神奈川)大会では、メインイベントでジュリアの持つ“赤いベルト”こと、ワールド・オブ・スターダム王座に中野が挑戦し、この試合も中野が勝利を収めている。

普段は威勢よく罵声を浴びせ合っている二人だが、お互いの存在を認め合っているのは事実。中野が長期欠場中に起こったジュリアの退団騒動には、中野にとっても思うところがあったようだ。

中野は3月10日、東京・後楽園ホール大会でSTRONG女子王座から陥落したジュリアを襲った大江戸隊から救出すると、二人は肩を組みバックステージへ。ここで中野はタッグ結成ではなく、最後のシングル対決を要求した。

そうして今大会での対戦が実現。『CINDERELLA TOURNAMENT 2024~優勝決定戦~』と、舞華と林下詩美によるワールド王座戦も組まれたことから、全9試合中6試合目にラインナップされている。

試合はいつものように容赦ない壮絶な張り手合戦から始まり、お互いの大技の応酬を見せるなど、濃密な15分となった。終盤も激しく張り合い、試合終了のゴングが鳴らされた。

二人の命を削るような闘いぶりに場内からは大きな拍手が贈られ、倒れたままマイクを握った中野は「本当清々するよ! 大嫌いだったあんたの顔、見ないで済むと思うと清々する! あんたがいなくなったらこんな風に顔パンパンになって宇宙一ボコボコの顔を人前に晒す事も、会見で血まみれにされる事も、水着で乱闘する事も、プロテインぶっかけ合う事も全部無くなるかと思うと本当清々する! おいジュリア、あんたと私はさ、一生に一度、出会えるか出会えないかの関係だった。そうでしょ? 行くな! 辞めるのを辞めろ」と中野なりの言い回しでジュリアを慰留した。
それに対し、ジュリアは「思ってたことそのまま言ってくれたな! 清々する? こっちのセリフだよ。仕事に来ればオマエの顔がいて、控室にもオマエがウロウロしてて、そんなテメエに会わないと思ったらこっちが清々するんだよ。オマエと何度も何度も闘って、きょう一つ答えが出たよ。スターダム辞めるの辞めるよ…んなわけねえだろ!」と突き放す言葉を吹っ掛けた。

しかし、ジュリアは続けて、「オマエがいつか私より先に、もしリングを降りる日が来るんだったら、必ず私を呼べ。生きてる限り必ず呼ぶんだ! いつでもどこでもオマエの最後の相手は私だ。他の女を選んだら許さねえからな! このブス」と引退試合の相手に名乗りを上げ、中野と再び張り合うと最後にジュリアは「たむ、ありがとな!」と感謝の言葉を口にした。

そんな掛け合いの後、バックステージで中野は「たむはスターダムを世界一の団体にする。だからこの世界のテッペンでまた会おう」といつかの再会を呼びかけると、ジュリアは「オマエとリング上でまた必ず会うだろう。その時はオマエが最後の時だ。そんなこと言うなんてオマエの呪いにかかっちまったのかもしれねえな」と苦笑いした。

今月限りで新天地へと飛び立つジュリアにとって、中野とのシングルは辞める前にやっておく必要があった。今月は残すところ4大会。ジュリアの退団はいよいよカウントダウンとなる。

◆スターダム◆
『CINDERELLA TOURNAMENT 2024~優勝決定戦~』
日時:2024年3月20日
場所:愛知・名古屋国際会議場イベントホール
観客動員数:994人(満員)
▼スペシャルシングルマッチ(15分1本勝負)
△中野たむ(時間切れ引き分け)ジュリア△

文⚫︎どら増田

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