遺体をキャリーバッグに入れて隠す、親子が起訴内容認める 滋賀

大津地裁

 滋賀県高島市の救護施設でキャリーバッグの中から遺体が見つかった事件で、死体遺棄の罪に問われた無職の男(84)と、長男(53)の初公判が22日、大津地裁(谷口真紀裁判官)であり、両被告は起訴内容を認めた。検察側は懲役1年6月を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は4月17日。

 起訴状によると、2人は共謀して2021年4月9日ごろ、大阪市内で無職男の妻の遺体をキャリーバッグの中に入れ、今年1月9日までの間、同市内の宿泊施設や高島市の救護施設の一室などに隠して遺体を遺棄したとしている。

 検察側は冒頭陳述で、19年ごろに、大阪市内のマンションで3人で生活をしていたが、ローンの返済が滞るようになり、バス停などで寝泊まりし、親戚から金を借りてホテルに泊まるようになったと指摘。20年12月ごろ同市内のホテルで妻が衰弱して死亡すると、逮捕されることを恐れて、遺体をキャリーバッグに入れて隠したとした。

 検察側は、今年1月に発覚するまで約3年にわたってバッグの中に遺体を隠し、「犯行態様は悪質」と非難。弁護側は反省しているとして情状酌量を求めた。

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