一生割れないは都市伝説? 春のパンまつり「白いお皿」の謎を探る

今年も始まった「山崎製パン」(代表:飯島延浩)の『春のパンまつり』。点数シールを集めヤマザキ商品取扱店舗へ持っていくとプレゼントされる白い皿は、SNSで「人類が地球上から消え去ってもパン祭の皿だけは残るんじゃないかってくらい割れない」「もう30年ぐらい使ってる」などとコメントされ、その丈夫さには定評がある。

「山崎製パン」が40年以上にわたりおこなう『春のパンまつり』でもらえる白い皿

そんななか、思わぬアクシデントにより粉々に割れてしまったと投稿されたとあるツイートが、「一生割れないと思ってました」「こんな粉々になるんですね」などのコメントとともに、注目の的となった。筆者も同白い皿を10年以上にわたり愛用しているひとりなのだが、そもそも「割れない」「長持ちする」説は、都市伝説なのだろうか? 広報担当者に伺った。

つるっとなめらかな手触りで、厚すぎず薄すぎずで重さもちょうど良い。パンや目玉焼きなどを盛り付けるのにいい大きさで、筆者も何かと忙しい朝食時にサッと手に取ってしまうのはいつもこの皿なのだ。そして、どれくらい前か定かではないが、使い続けて確実に10年以上は経っている。

シンプルさゆえ、パンやおかずと何を載せても朝食シーンが完成してしまう万能「白いお皿」

──1981年に世に出た「白いお皿」ですが、国民的に精通しているイメージのように、なぜそんなに「長持ちする」のでしょうか?

「白いお皿」は、全面物理強化ガラスで、一般のガラスに比べ丈夫にできています。ただし、 決して「割れない・欠けない」ということではありませんのでご使用の際には、注意してください。

──フランス発の特注という噂を聞いたことがあるのですが、それは本当なのですか?

「白いお皿」は、すべてフランスで製造し、日本まで船で運んでいます。第1回目から毎年新しいデザイン選定をしており、アルク・フランス社の代理店を通じてお皿のデザインを提案いただいております。

1981年に開催された第1回『春のパン祭』の「白いお皿」(写真提供:山崎製パン〉

華やかなフリルのデザインのお皿、幅広く使えるオーバルタイプのお皿、ワンプレートとして使えるワンディッシュ皿、副菜やフルーツにも最適な小鉢タイプ、シチューやハンバーグなどのメインディッシュにも使える少し深めのお皿など、さまざまなお皿をご用意してきました。

──それは初耳でした。そもそもなぜ「お皿」のプレゼントなのでしょうか?もはや「パン」でもいいのではとも思うのですが・・・。

「白いお皿」が40年以上にわたり、人気が衰えないのはなぜ?

1981年の第1回目のキャンペーンを実施するにあたり、パンを食べる朝の食卓をイメージして、パン食文化の本場であるフランスのデュラン社製(現在はアルク・フランス社)の真っ白なお皿を採用しました。この白いお皿は清潔感とスマートさにあふれた、おしゃれなお皿とご好評をいただいたことから、以後、継続して景品としており、「春のパンまつり」は白いお皿のキャンペーンとして定着しております。

──毎年応募の絶えない人気企画ですが、支持される理由は、ずばりどこにあると思われますか?

「白いお皿」のデザインは、時代のトレンドや使いやすさなどのニーズに合わせ選定されてきました。そのことが、お客さまに支持される理由かと思っております。

──ちなみに今シーズンの「白いお皿」はどういったデザインに。

今回の「白いスマートボウル」は、2023年の「春のパンまつり」キャンペーンがまだおこなわれている3月頃から流行やトレンドなどを基にデザインの検討に入り、8月頃には10種程度に絞りました。

2024年『春のパンまつり』の対象皿は「白いスマートボウル」、もちろんメイド・イン・フランス(写真提供:山崎製パン)

さらに、消費者モニターさまからのご意見を参考にサイズや使い勝手について検討を重ね、11月に決定いたしました。スープやちょっとしたおかず、デザートなどにもご利用いただけると思いますので、ぜひご利用ください。

「シールがたまったから」「毎年の恒例だから」と何気なく手に取っていたお皿。だがそんなキャンペーンが40年も続く背景には、「実は全面物理強化ガラス」で「1年がかりでデザインが決まるフランス仕立ての特注皿」というただものならぬスペックの高さもあった。2024年度『春のパンまつり』は、4月30日まで実施されている(お皿の交換期間は5月19日まで)。

取材・文・一部写真/緑川翠

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