黄砂が飛んだら何すればいい?やりがちなNG行動とは⁇対策が必要な理由を予報士が解説

春になるとよく、ニュースや天気予報で黄砂の話題を耳にするようになります。

例年2月ごろから飛来する頻度が増加し、4月ごろにピークを迎える黄砂。
黄砂の飛びやすい時期は花粉シーズンと重複するため、すでにマスクをしたり、洗濯物を取り込む際に払ったりして対策をしているから大丈夫…という人も多いと思いますが、黄砂は花粉とは決定的に異なる注意点があります。

今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、飛びやすい今の時期にやるべきことをまとめます。

払っても取れない!やっかいな「ガラス質」の砂

黄砂は、大陸にある広大な砂漠付近で低気圧が発達することによって巻き上げられたこまかい砂が、偏西風という風に乗って日本まで運ばれてくる現象です。
この「砂漠の砂」というのが重要で、通常の砂と比べてガラス質の成分を多く含んでいます。

鋭いガラス質の砂は布地の繊維に入り込みやすく、洗濯物に付着してしまうと、花粉と異なり手で一生懸命払ってもなかなか取れないのです。
そのため、黄砂が予想されている日はあらかじめ洗濯物を部屋干しするのがおすすめです。

車についたら「たっぷりの水」が必須

前述のように黄砂にはガラス質の砂が含まれているため、ものをキズつけやすい性質があります。

そのため、車についた黄砂をふき取ろうとすると、車にキズをつけてしまうことがしばしば…。
車についた黄砂は、「拭き取る」のではなく水で「洗い流す」必要があります。

このとき、使う水の量が少ないと十分に洗い流せなかったり、水とともに使うブラシなどで結局キズつけてしまったりするので、とにかく「たっぷりの水」を使うのがポイントです。

花粉よりは少ないけど…

花粉は自分の住む都道府県か、あるいは隣県から飛んでくるものなので、花粉と比べて遠い大陸から運ばれる黄砂はもちろん量が少ないと言えます。

ただ、花粉よりも粒子が小さいため、吸い込んだあとに末梢の器官や肺まで到達しやすく、またさきほどから説明に登場している「ガラス質の砂」はそれらをキズつけてしまうこともあるのです。

そのため、できるだけマスクをするなど対策をして吸い込まないようにするのがおすすめです。

今や予測可能!春は黄砂の情報を確認して

黄砂予測図の例(気象庁HPより)

じつは黄砂は、突然やってくることはありません。
なぜなら大陸の砂漠から数千kmを旅してやってくるので、出発してから日本に到達するまでに時間がかかり、その間に「いつ・どこへ・どのくらい飛来しそうか」を予測できるためです。

しかも、日本と中国との間には朝鮮半島がありますから、韓国の気象機関による観測で実際にどのくらいの濃度で飛来したかがわかり(データはリアルタイムで国際的に共有されます)、かなり確度の高い予測が可能です。

そのため、日々の天気予報を見ていれば、黄砂に不意打ちされずに対策が可能。
テレビでもネットでもOKなので、これからの時期は黄砂の情報をチェックして生活や家事に活かしましょう。

■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部

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