スターダムがジュリア、林下詩美ら5選手の退団を発表も、団体分裂騒動はこれにて終止符!4.27横浜から新章突入へ

スターダムは、所属選手のジュリア、林下詩美、MIRAI、桜井まい、弓月の5選手が退団すると発表した。ジュリアと詩美は今月末まで出場した後、4.12東京・後楽園ホール大会でスターダムラストマッチ、他の3選手は今月末をもってスターダムマットから離れる。退団する5選手は、スターダムが2月5日に契約を解除したロッシー小川前エグゼクティブプロデューサーが旗揚げするとみられる新団体への参加が濃厚だ。

当初は新団体の構想を描いていた小川氏のもとに複数の選手が何らかの接触をしていたようだが、スターダムが小川氏との契約を解除し、退団を検討していた選手たちを全力で慰留した結果、何とか5選手の退団で食い止めることが出来たようだ。

3.20愛知・名古屋国際会議場イベントホール大会では、意味深なカードやコメントも見られた。第1試合では弓月が岩谷麻優とシングル対決。昨年の新人王である弓月は岩谷の胸を借りるべく全力でぶつかっていったが、最後はドラゴンスープレックスホールドでフォール負け。試合後、弓月は「どれだけ自分ががむしゃらに麻優さんに食らいついていっても麻優さんの壁はすごく高くて…でも、もっともっと自分が成長して強くなった時にまた麻優さんとシングルをしてスリーを奪いたい」と成長してから再戦したいとコメント。岩谷は「この先のプロレスはまだまだ未来しかないなって思いました」と笑顔でエールを贈っている。

また6人タッグのタイトルであるアーティスト・オブ・スターダム王者のMIRAIは「3月中に」舞華&白川未奈&ジーナのEXVとの防衛を宣言。詩美とのアフロディーテでゴッデス・オブ・スターダム王者の上谷沙弥も6人タッグマッチながら、星来芽衣にフォール負けを喫してしまい「すぐにでも防衛戦をやりたい」と鈴季すず&星来の挑戦を受諾した。どちらも3.30宮城・仙台PIT大会でのタイトルマッチ実現が濃厚。またアフロディーテは4.11東京・飛行船シアターにて、ラストイベントの開催も決定した。
この大会では中野たむとの遺恨試合にひとまず区切りをつけたジュリアは改めて退団宣言。メインイベントでは、赤いベルトことワールド・オブ・スターダム王者の舞華に詩美が挑戦。身を削るような熱戦の末、舞華が詩美に勝利を収めたが、敗れた詩美は晴れやかな表情を浮かべており、バックステージでは盃を交わす約束をするなど、退団を匂わせる様子は見られなかった。
5人の選手を失うのは痛いが、スターダムの選手は3月末で契約が更新されることから、団体の分裂騒動は今回の発表で終止符を打つ。もちろん来年以降のことは不透明だが、これは新日本プロレスなど他団体にとってもあり得ること。ただ再発防止の意味も込めてスターダムは団体内外の環境をより良くすべく、アメリカのAEWと提携をするなど、選手や団体の世界進出も見据えた体制を整えている。残留を決めた選手たちからは「スターダムを世界一にする」という声も数多く聞かれているだけに、年間最大のビッグマッチ4.27神奈川・横浜BUNTAI大会から突入するスターダムの新章に期待したい。

取材・文・写真⚫︎どら増田

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