岡山が熱く盛り上がる「うらじゃ」ってなんじゃ?

「うらじゃ」とは

「うらじゃ」は、岡山県に古くから伝わる「吉備津彦命(きびつひこのみこと)=桃太郎のモデルとされる」と「温羅(うら)=鬼神」との戦いを描いた桃太郎伝説から生まれました。一説では吉備国の発展に貢献したとされ現在も大切に祀られている温羅(うら)に岡山弁の「~じゃ」が合わさり、岡山には親しみやすい言葉になりました。「うらじゃ」をきっかけに郷土の歴史や文化に興味を持ってもらい、「まちのために行動を起こせる人」の育成を目指したい。そんな願いも込められた「うらじゃ」は、「共生と融和」をテーマに岡山ならではの文化として市民の間で育まれ、年々大きなムーブメントとなり、意味合いも広がっていきました。

吉備津彦と温羅(PDF)

「うらじゃ」世に出る

まちづくり、ひとづくり、幸せづくりのきっかけになればという想いから、「うらじゃ」がイベントとして始まったのは1994年。当時は岡山市内の秋まつり「うらじゃ」として独自に行われていました。2001年より、岡山市中心市街地で毎年開催される一大イベント「おかやま桃太郎まつり」の一環として、「うらじゃ」の行事は夏に行われるようになりました。

「うらじゃ」の歩み

【写真:2010年ポスター】

踊り子・観客・裏方が一緒になって温羅の魂を天上に還す踊りを踊る「総おどり」から始まった「うらじゃ」のイベントは今年で、30年目を迎えました。市民自らが中心となり、そのほとんどをボランティアスタッフが運営。「うらじゃ」は岡山の地域・文化・歴史に根ざしたストーリー性のある市民参加型の祭りとして、岡山のまちに定着していきました。近年は岡山市内・県内だけではなく県外からも毎年多くの踊り子が参加し、今では「夏は『うらじゃ』じゃ!」とも言われるように、「うらじゃ」は岡山市を代表する夏の風物詩のひとつとなっています。

「うらじゃ」ひろがる

【写真:2015年ポスター】

―――私たちも「うらじゃ」をやってみたい!「うらじゃ」の様々な活動が、各地で拡がっていきました。そして、チーム一体となって「うらじゃ」を表現する「踊り連」が次々に誕生。地元のこども会、企業内の部活動、こどもから大人までの幅広い世代の連など、年代も参加メンバーも様々です。「おかやま桃太郎まつり」の「うらじゃ」エントリー数も、年々増え続けてきました。

多彩に魅せる「うらじゃ」

【2016年ポスター】

「うらじゃ」踊り連の躍動する様子は、地元ケーブルテレビ「oniビジョン」(オニビジョン)でも生中継されています。それぞれの踊り連は踊りも衣装も個性が際立ち、映像で観てもその迫力に圧倒されます。イベント当日、踊り手たちが鬼の様相をメイクで表現した「温羅化粧」も必見です!まつり当日には来場者も温羅化粧が体験できるブースもあり、踊り手も観客も一緒に温羅メイクをまとって楽しむことができます。

市役所筋

写真は、夏の「うらじゃ」演舞のテレビ中継も行われ最も盛り上がる場所のひとつ、「市役所筋」です。岡山駅前(後楽園口)から岡山市役所へとまっすぐにつながる大通りで、突きあたりに岡山市役所が見えます。 ♪ 晴れ晴れ大空 吉備の国~うらじゃ うらじゃ う~ら~じゃ~♪ 「うらじゃ」おなじみの音色が聴こえてきそうです。

「うらじゃ」がマンホールに!

今や全国で「ご当地マンホール」が人気ですが、2020年夏、この大通りに「うらじゃマンホール」が登場しました。色鮮やかで路上にあっても映えるカラフルなマンホール蓋は「市役所筋」に6か所設置されています。「うらじゃマンホール」は2020年に岡山県民を対象に作品が公募され、「小学生」「中高大学生」「大人」部門から3点の作品が選ばれました。受賞作のデザインが施された「うらじゃマンホール」、実際に歩いてご紹介します。

「うらじゃマンホール」小学生の部 受賞作

こちらが「小学生の部」の受賞作。手書きの味わいある色づかいで、踊っている勇壮な姿と「鬼」の文字にも力強さを感じる作品です。

「うらじゃマンホール」中高大学生の部 受賞作

「中高大学生の部」受賞作は、くっきりとした鮮明な色合いがひときわ目立っていました。元気に弾ける笑顔が素敵です。

「うらじゃマンホール」大人の部 受賞作

「大人の部」受賞作はこちら。円の中に「うらじゃ」のたくさんの要素が詰まった、立体的で精巧なデザイン。温羅のやさしい笑顔から、岡山の人たちの温羅への愛が伝わってきますね。

「うらじゃマンホール」設置場所は、岡山市内でもここ市役所筋だけ。ここに来れば1年中、うらじゃの活気と躍動を思い起こすことができますね。そして、岡山に来たらこちらもぜひチェックを!桃太郎がデザインされたマンホールは、岡山市中心部の各地で見つけることができます。

「うらじゃ」の進化はつづく

【2019年ポスター】

「うらじゃ」は岡山市民に愛され大きく育ち、県外の方々にも広がりを見せています。文化として岡山市に浸透し、これからも広く深く進化し続けていくのではないでしょうか。

【画像提供:うらじゃ振興会】

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