レッドブル&HRC密着:フロアとシャシーの修復に時間を要しFP2は最低限の周回に。改善の余地を残すフェルスタッペン

 開幕2連勝でF1第3戦オーストラリアGPに臨むマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。グランプリ前日の囲み取材では、早くも2025年に向けた質問が飛んだ。

 それはクリスチャン・ホーナー代表による不適切行為疑惑に端を発して、チーム内が緊張状態にあるレッドブルを見たメルセデスのトト・ウォルフ代表がラブコールを贈ったからだ。ウォルフのコメントについて尋ねられたフェルスタッペンは、「そう言ってもらえるのは大変光栄だ」と笑顔を見せた後、こう続けた。

「僕には2028年末まで契約がある」

 フェルスタッペンにとって、レッドブルは単なる所属チームではない。

「僕にとって、このチームは第2の家族みたいなものなんだ。だから、居心地がいい」

 レッドブルが「第2の家族」に思えるほど居心地がいいのは、そこに家族同然とも思える信頼できるスタッフがいるからにほかならない。それがだれなのか、尋ねられたフェルスタッペンは「みんなに知られてしまうわけにはいかないから名前は出したくないけど、ひとりじゃない。いろんな人たちだよ」と笑った。

2024年F1第3戦オーストラリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 確かにレッドブルには、F1ドライバーになってからの育ての親とも言えるヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)がいて、天才デザイナーのエイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)もいる。さらにフェルスタッペンが初めてチャンピオンになったときに「君が辞めたら、僕も辞める」と言うほど信頼しているレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼもいる。

 しかし、レッドブルにはフェルスタッペンから全幅の信頼を寄せられる優秀なスタッフがほかにもたくさんいる。

 オーストラリアGPのフリー走行1回目のセッション終盤にコースをはみ出し、フロアにダメージを負ったフェルスタッペン。修復作業は予想以上に時間を要し、フリー走行2回目が始まってもフェルスタッペンはなかなかコースインできなかった。それでも、フェルスタッペンは慌てる様子はなく、作業終了までランビアーゼとコースインした後のプログラムを確認。メカニックから、作業終了を告げられると、落ち着いた様子でコクピットに乗り込み、コースインしていった。

 すでに時間はセッション開始から22分が経過していた。

「フロアとシャシーにダメージがあって、それを修復するのに時間がかかった。それでフリー走行2回目はかなり走行時間をロスしてしまった」

2024年F1第3戦オーストラリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 それでも、限られた時間のなかで、フェルスタッペンは可能な限り周回を重ねた。

「本来ならもう少し周回を重ねたかったし、ロングランもあまりできなかったけれど、最低限の周回を重ねることができたことはよかった」

 初日2番手に終わったのは、そんなことも関係していた。ただし、手応えも感じている。

「微調整しなければならないところがいくつかあるから、土曜日を楽しみにしている」

 信頼するスタッフたちとともに、土曜日にどんな走りを披露するのか。いまのフェルスタッペンに2025年のことは頭にない。

2024年F1第3戦オーストラリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

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