尊富士V王手 地元も喜び爆発 応援PVで大声援/青森・五所川原

尊富士が寄り切りで勝利し、喜ぶ市民ら=22日午後5時半ごろ、五所川原市役所
尊富士が勝利し、佐々木市長と手を取り合って喜ぶ母・桃子さん(右)=22日午後5時半ごろ、五所川原市役所
金木総合支所のPV会場で尊富士の勝利を喜ぶ市民ら=22日午後5時半ごろ

 大相撲春場所で新入幕優勝を目指す尊富士が22日、青森県民悲願の賜杯に王手をかけた。人々の予想を上回る快進撃に、この日パブリックビューイング(PV)が始まった地元・五所川原市は興奮のるつぼ。市民らは喜びを爆発させ、「明日も勝てる」と快挙達成を願った。

 市役所本庁舎の会場には、佐々木孝昌市長をはじめ約150人が集まり、市内に住む母方の祖父・工藤弘美さん、祖母・洋子さん(73)、母・石岡桃子さん(47)も駆けつけた。全員が固唾(かたず)をのんでスクリーンを見守る中、尊富士が関脇若元春を寄り切ると、会場は大歓声。飛び跳ねたり、抱き合ったりする人々の姿もあり、佐々木市長と桃子さんも握手をして喜びを分かち合った。

 自身も大相撲の舞台を目指したがかなわず、孫に夢を託した弘美さんは「今日の取組は最高だ。自分の姿勢で、巻き替えてもろ差しに持って行けた。明日も勝てる」と目を潤ませながら話し、14日目での優勝決定に期待を込めた。

 場所中は息子が心配で中継を見られないほどだという桃子さんは「やってくれるだろうと思っていた。最後まで自分の納得できる相撲を取ってほしい」と笑顔で語った。

 スクリーンに向かって盛んに拍手を送っていた同市の小山内保人(もりと)さん(28)は「PVでみんなで応援できて良かった。明日も頑張ってほしい」。家族4人で応援に駆けつけた同市の鹿内紀子さん(63)も「明日も落ち着いて取れば大丈夫。ここまで来たら優勝を」と期待を寄せた。

 尊富士の出身地である同市金木町地区の金木総合支所でもPVが行われ、周辺住民など約30人がスクリーン越しに熱い声援を送った。尊富士が勝利すると、割れんばかりの拍手が室内を包んだ。

 最前列で応援した平川市在住の楠美直文さん(54)は同地区出身。知人から知らせを受け、故郷の会場に駆けつけた。楠美さんは「この金木から素晴らしい力士が出てきて、本当にうれしい。優勝したらぜひ金木でパレードをしてほしい」と喜んだ。

 いつもテレビで応援しているという同地区の中谷友香さん(26)は「圧倒的で余裕のある相撲に見えた。次も勝ってほしい」とエール。同地区在住の白川裕記さん(46)は「すごい。明日もここで歴史的瞬間を見たい。明日はもっと多くの人に来てほしい」と興奮気味に語った。

 PVは24日の千秋楽まで、市役所本庁舎と金木総合支所で行われる。

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