名称「いわてあわこがね」 県開発雑穀新品種 来年度から本格栽培【岩手】

県オリジナルアワ新品種の名称を発表する県立花巻農業高校の生徒ら

 県は22日、県が主導して育成した雑穀・モチアワの新品種の名前を「いわてあわこがね」に決めたと発表した。雑穀需要が高まる中、多収で倒れにくく作業効率、生産量向上への期待を担う品種で、実は黄色味が濃く和菓子店など実需者の評価が高い。2024年度に本格的に栽培開始するとともに、4月から新品種を使った商品が限定販売される。

 新品種は「アワ岩手糯(もち)11号」として13年に県農業研究センター県北農業研究所が開発した。現行品種の「ゆいこがね」に比べ、茎の長さが30センチ近く短いため倒れにくく、多肥栽培で2割の増収が期待でき、水稲用のコンバインでも収穫することができる。子実の黄色が鮮やかで粒が大きく、実需者から加工適性に高い評価を得ている。

 新たな品種名は、同センターやJAいわて花巻、JA新いわて、花巻市、二戸市、流通・生産など雑穀関係機関・団体から募集し、県が選考。実の鮮やかな黄色から黄金(こがね)をイメージして付けられた。

 同日は、花巻市石鳥谷町の芽吹き屋本店で名称発表会を開催。県農林水産部の照井富也農政担当技監は「県が自信を持って送り出すアワの新品種。広くPRし、多くの人に活用してほしい」と呼び掛けた。

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