楽しめる場所で世代橋渡し コスプレーヤーはじめ☆さん 空き店舗でチャレンジショップ【一関】

はじめ☆さんが運営しているチャレンジショップ「和楽風天」の店内

 一関市千厩町千厩の空き店舗を活用し、ハンドメードグッズやコスプレ関連などアニメ、漫画のキャラクターグッズを扱うチャレンジショップ「和楽風天」。コスプレイベントがきっかけとなり、商店街で開かれているせんまや夜市にコスプレで訪れる若者が増えており、そうした若者たちが足しげく通う。さらに楽しむ若者たちの姿から年配者にも広がりを見せている。経営する粘土作家のコスプレーヤーはじめ☆さん(同町)は「若者に限らず、ふらっと立ち寄り楽しめる場所にしたい」と思いを語っている。

 国の「面的地域価値の向上・消費創出事業」を活用して千厩の4団体が取り組む「せんまやにぎわい再生チャレンジ de GO!」で家賃と設備補修の補助を受け、2023年10月に営業を始めた。はじめ☆さんと仲間が持ち寄った自作を含む作品やグッズをフリーマーケット方式で販売。コスプレグッズは衣装自体のほか、生地なども扱っている。

 はじめ☆さんは6年ほど前、食べ物を模した粘土作品を販売してもらったことをきっかけに商店街とつながりが生まれ、趣味を生かしてコスプレイベントを企画し好評を得た。せんまや夜市のハロウィーンや、キツネなどの面を着け商店街を練り歩く「けものまつり」と雰囲気がマッチし、22年ごろから夜市にコスプレーヤーが多く繰り出すようになった。

 チャレンジショップもこの流れの中で出店した。キャラクターグッズは幅広い年代に人気。地元の10代の常連のほか、見ているうちに憧れてコスプレを始めた人もいるという。

 はじめ☆さんは「若者たちが来るようになってから、着物リメークをしている店舗のオーナーもここで作品を売るようになった。気になってのぞいてくれる年配の人もいる。夜市の盛り上がりから千厩の良さが広まっている」と語る。若い世代に対し「中堅世代として気持ちを酌みたい。集まって楽しめる場所が大切」と思いを寄せている。チャレンジショップとしての営業期間は3月末までだが、継続する方法を検討している。

 不定休。営業時間はインターネット交流サイト(SNS)のX(旧ツイッター)で確認できる。

© 岩手日日新聞社