米提案のガザ即時停戦決議案を否決、国連安保理 中・ロシアが拒否権

[ワシントン/ブリュッセル 22日 ロイター] - 国連安全保障理事会は22日、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ情勢を巡り、米国が人質解放に関連して提案した即時停戦を求める決議案を否決した。ロシアと中国が拒否権を行使した。

決議案は、民間人の保護と人道支援を可能にするために「約6週間の即時かつ持続的な停戦」を求めていた。

投票では15カ国中11カ国が賛成。中ロのほかアルジェリアが反対し、ガイアナが棄権した。

トーマス・グリーンフィールド米国連大使は「理事会の大多数が賛成票を投じたが、残念ながらロシアと中国が拒否権を行使する決定をした」と述べた。

ロシアのネベンジャ国連大使は投票前、米国の提案した決議案が「過度に政治化」され、イスラエルのガザにおける軍事行動にゴーサインを出すような内容とし、支持しないよう加盟国に呼びかけていた。

中国の張軍国連大使も、米国の決議案はバランスを欠き、ガザ南部ラファにおけるイスラエル軍の軍事作戦に反対する姿勢を明確に表明していないと批判し、深刻な結果を招く可能性があると述べた。

外交官らによると、安保理で選出された国が代替決議案を策定し、米東部時間23日午前10時(日本時間同日午後11時)に採決が実施される予定。ロイターが確認した草案は、イスラム教の聖月ラマダン(断食月)期間中の即時停戦と人質全員の解放を要求する内容となっている。

フランスはヨルダンとアラブ首長国連邦と連携し、ガザ停戦に向けた国連の決議案を支持するようロシアと中国を説得する構えを鮮明にした。

マクロン大統領はロシアと中国の拒否権行使を受け、「安保理におけるフランスの決議案に基づく作業を再開し、米国や欧州、アラブ諸国のパートナーと協力して合意にこぎ着ける」と表明した。

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