イスラエル、ラファ侵攻「単独でも実施」 米「孤立化」警告

Humeyra Pamuk Nidal al-Mughrabi

[テルアビブ 22日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は22日、米国のブリンケン国務長官に対し、イスラエルはイスラム組織ハマスとの戦いを単独で続ける用意があると伝えた。

ブリンケン長官はパレスチナ自治区ガザでの戦闘停止などを目指し、中東を歴訪中。この日はイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と一対一で会談した。

ネタニヤフ氏はハマスとの戦いにおける米国の支援に謝意を表明すると同時に、100万人を超える民間人が避難しているガザ地区最南部ラファへに対する攻撃の計画を改めて表明。

記者団に対し公表したビデオ声明で「ラファに侵攻し(ハマスの)残りの大隊を排除しない限り、ハマスに勝つ方法はない。米国の支援を受けてこれを実行することを望むが、そうならない場合、イスラエルは単独で実行するとブリンケン長官に伝えた」と述べた。

これについてブリンケン長官は、ラファへの攻撃はイスラエルの「一段の孤立化」につながるほか、長期的な安全保障が損なわれる恐れがあると警告。

ブリンケン氏は会談を終えイスラエルを出発する際に記者団に対し、ネタニヤフ首相と「率直に話し合った」とした上で、ラファへの地上侵攻で「民間人の犠牲が増え、人道支援が一段と混乱する恐れがある。イスラエルが世界でさらに孤立し、長期的な安全保障が損なわれるリスクがある」と語った。

米国務省のマシュー・ミラー報道官によるとブリンケン氏は会談で、ガザ地区で拘束されている人質の解放を確保し、人道支援を増加させるため、少なくとも6週間の戦闘停止で合意する取り組みについて協議した。

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