東海のホテル、能登復興を支援 被災地旅館の従業員受け入れ フェア売り上げ寄付も

中国料理店「梨杏」で働く上野さん

 能登半島地震の発生から3カ月が経過したが、復興まで道半ば。東海地方のホテルは、現地の旅館から従業員を受け入れたり、北陸の食材を使用したフェアを開いて売り上げの一部を寄付したりと、支援に乗り出している。

 ジェイアール東海ホテルズ(本社名古屋市)は、石川県七尾市の旅館「和倉温泉 加賀屋」から従業員を受け入れている。名古屋マリオットアソシアホテル(名古屋市中村区)で5人(4月から6人)、ホテルアソシア高山リゾート(高山市)で4人、5月末までの予定で就業場所を提供。西洋料理や鉄板焼きなどさまざまなレストランがあり、日本料理以外を勉強することができる。
 加賀屋料飲課リーダーの上野誉幸さん(33)は、名古屋マリオットアソシアホテルの中国料理店「梨杏」で働く。「中国料理を提供するのは初めて。刺激的な日々を送っている」と笑う。
 石川県輪島市出身で、加賀屋で15年間おもてなしを磨いてきた。「加賀屋しか知らないので、職場が変わって初心を思い出した。再開のめどは立たないが、気持ちを切らさずここで力をつけて、元気な能登をPRしたい」と前を向く。
 梨杏の谷健一シニアマネージャーは「『おもてなし日本一』で知られる老舗旅館のホスピタリティーを間近で見ることができ、われわれにもいい刺激となっている」と話す。
 岐阜グランドホテル(岐阜市)は4~6月、レストラン3店で「食べて応援!北陸と岐阜のハーモニー♪グルメフェア」を開催。売り上げの一部を復興支援に充てる。仏料理の「展望レストラン キャッスル」は北陸産小鯛のマリネやサワラのオーブン焼きなどのランチ(4800円)を用意。日本料理店「吉祥」は加賀野菜や富山県産米「てんこもり」を使用した会席(1万円)を提供する。
 三交イン(本社名古屋市)は、東海3県を中心に展開する全15ホテルで、義援金プランを販売している。1泊ごとに宿泊客から100円、ホテルから100円の計200円を日本赤十字社に寄付する。現在約2300泊の予約・実績があり、想定を上回るペースで推移。販売を終える12月22日までに1万泊を目指す。

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