韓国企業の中国への直接投資が前年比78%減、海外投資額トップ5カ国から外れる

中国の景気低迷の影響で、韓国企業による昨年の中国への直接投資額が対前年比で78.1%の大幅な減少を記録した。中国は1992年以降で初めて韓国の海外投資額の上位5カ国から外れた。写真は威海市。

中国の景気低迷の影響で、韓国企業による2023年の中国への直接投資額が対前年比で78.1%の大幅な減少を記録した。昨年の国際収支統計によると、外資企業の対中直接投資は前年比82%減。韓国もその例に洩れず、1992年以降で初めて韓国の海外投資額の上位5カ国から外れた。

海外直接投資額は韓国に住所を置く個人や法人が海外法人の株を取得した際に投じた金額や、海外の営業所の運営や事業活動のために投じた金額を指す。

ハンギョレ新聞は企画財政部が15日に発表した「2023年の海外直接投資額」を紹介。それによると、昨年の韓国企業による海外への直接投資額は633億8000万ドル(現レートで約9兆5000億円)で、前年(815億1000万ドル)と比べて22.2%減少した。総投資額から持ち株の売却や清算などによる回収金額を除いた純投資額も前年に比べて20.6%減の514億3000万ドルとなった。18年(518億1000万ドル)以降での最低値だ。

特に中国地域への直接投資額は前年比78.1%もの大幅減の18億7000万ドルだった。韓国企業の国別海外直接投資額で中国の順位は7位に下落。02年(11億6000万ドル)以降で最も少ない金額であり、中国が韓国企業の海外直接投資額の上位5カ国から押し出されたのは1992年以降で初。中国の景気低迷で、企業が中国への投資を先送り・取消したことが大きく影響した。

これは世界的な現象でもある。昨年の中国への海外からの直接投資額は前年(1802億ドル)に比べて82%の大幅減となる330億ドルにとどまった。1993年以来の低い水準だった。

一方、韓国企業の直接投資額が最も多かったのは米国市場で277億2000万ドル。次いでケイマン諸島(61億7000万ドル)、ルクセンブルク(49億5000万ドル)、カナダ(36億ドル)の順だった。

業種別に見ると、256億6000万ドルを記録した金融保険業の直接投資額が最も多く、不動産業(42億4000万ドル)、鉱業(33億8000万ドル)、卸・小売業(25億5000万ドル)が続いた。

企画財政部の関係者は海外への直接投資の減少について「米国の金利が01年以降での最高値を記録するなど、グローバルな高金利基調が続いた中、中国の景気後退や欧州の地政学的なリスクなどが作用した結果だと解釈される」と語った。(編集/日向)

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