多治見ビジネス・イノベーション大賞 大賞は多治見通運、奨励賞に川村製紐

賞状を手にする関谷社長(左)と川村社長

 【東濃】多治見商工会議所と笠原町商工会は22日、同会議所で「第13回多治見ビジネス・イノベーション大賞」の表彰式を開いた。大賞は多治見通運(関谷寛社長)、奨励賞は川村製紐(せいちゅう)工業(川村遥社長)が受賞し、田代正美会頭と加藤恒文会長から両社社長に表彰状が手渡された。

 同賞は、多治見市に本社を置く同会議所・商工会の会員企業を対象にした表彰制度。新商品・新サービスの展開、生産性向上や新市場開拓に向けた改善などを募集し、最終的に4社のプレゼンテーションを審査して受賞企業を決定した。

 鉄道コンテナ輸送など物流事業の多治見通運は、災害時の鉄道コンテナ輸送のバックアップ体制を構築。災害時に鉄道輸送網の一部が寸断した場合に、複数の物流企業と連携して貨物駅をクロスドックとして活用する体制を打ち出した。同社だけでなく、鉄道貨物輸送全体の課題解決に貢献できることが高く評価された。

 ゴムひも製造販売の川村製紐工業は、新商品「GEAR FIT(ギアフィット)」を開発。拡大傾向にあるアウトドア市場向けのゴムバンドで、伸縮性・耐久性と滑り止め機能でキャンプ用品などの結束、固定に役立つ。蓄積した技術力を生かして、新分野の商品開発に挑戦したことが受賞につながった。

 多治見通運の関谷社長は「今回構築した取り組みは業界の2024年問題の解決の一助にもなる。受賞を励みにさらに事業効率化を進めたい」と謝辞を述べた。

© 株式会社中部経済新聞社