現役医大生時代、6年間にわたり医学部受験生を指導していた綿谷もも氏。綿谷氏は、著書『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』（監修：高梨裕介氏）にて医学部受験生を7つのタイプに分類し、医学部に合格するためのポイントを解説しています。本書より一部を抜粋し、今回は「Case3. 医学部に現役合格する人が少ない高校に通っている」を見ていきましょう。
「医学部の現役合格実績に乏しい」高校へ通っている
通っている高校が「医学部に現役合格する人は少なく、浪人する人が多い」もしくは「医学部合格者がほとんどいない」という場合、「医学部に合格するためには何をすればよいのか」という点で困っている人が多い印象です。
医学部に合格するために必要なことはこれまでの記事で解説しましたが、特に気をつけるべき点をピックアップしていきます。
【ポイント①】最優先で身につけるべきは「習慣」
困難な目標を達成するのは「習慣」です。進学校の最大の強みは「勉強するのが当たり前という習慣」ですが、「習慣」は自分次第でどうにでもできることです。
有効な習慣づくりの例としては、このようなものがあります。
●周りは勉強していなくても、自分は平日は〇時間、休日は△時間以上勉強すると決める。決めたら実行する。
●学校の小テストは毎回満点を目指してコツコツ勉強する。
●長期休みは計画を立て、学校の宿題以外の勉強も行う。
医学部に現役合格した卒業生をみていると、「習慣づくり」の点で圧倒的に優れている傾向があります。特別な何かをする必要はありません。まずは「習慣づくり」を最優先に行いましょう。
【ポイント②】医学部合格できる特効薬は“ない”ことを意識する
「医学部に合格するための特効薬」はありません。数日間受講するだけで成績が伸びる講座や教材があるのであれば、医学部を目指して何浪もする人がたくさんいるはずないですよね。
医学部に合格するためには「当たり前のことを徹底する」しかありません。
成績に伸び悩んだ時ほどお手軽なノウハウが魅力に見えると思いますが、そんな時こそしっかりと状況を分析してみましょう。状況を客観的に分析することで、本当にやるべきことが明らかになるはずです。
なかなか勉強の成果が出ず苦しい期間が続いたとしても、本質を押さえた勉強を継続することで「気付いたら成績が伸びていた」と振り返る人は多いです。
【ポイント③】間違った情報に惑わされない
インターネットや書籍などで、簡単に情報にアクセスできるようになりました。
情報の中には、一般性がなく真似できない方法だったり、古い内容・間違った内容のものも数多く存在しています。情報はしっかりと取捨選択した上で取り入れるようにしましょう。
正しい情報を知っておくことはもちろん大切ですが、最も合否に関わるのは「正しい情報に基づいて、どれだけ実行するか」という点につきます。情報は知っているのに実行が伴わない「情報マニア」とならないよう気をつけましょう。
【執筆】綿谷 もも
医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。
医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。
【監修】高梨 裕介
医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師
医師／大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。
中学受験経験（灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格）。
自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。
