「ある宗教二世が残した遺書」を映画化!すべてを奪われた少女の残酷で壮絶な人生とは?衝撃作『ゆるし』劇場公開中

『ゆるし』©️ユーラフィルムズ

安心、自由、愛、全てを奪われ“神の子”にされた少女

新興宗教で洗脳された過去をもつ監督が宗教虐待に切り込んだ衝撃作『ゆるし』が、3月22日(金)より劇場公開中だ。

ある宗教二世が残した一通の遺書。そこには、宗教虐待の実態、そして当たり前の自由を求めながらも、親への捨てきれぬ愛ゆえに苦しんだ少女の痛みが、どこまでも繊細に鮮明に残されていた。その遺書に感化され、自身も新興宗教で洗脳された過去をもつ平田うらら監督が、宗教虐待の実態を映画化。フィクションでありながら、宗教虐待というテーマを娘、母、祖母ら3世代の視点を交えて多角的に描いている。

お母さん、自由は罪ですか?

<光の塔>の信者である母・恵から厳しい宗教教育を受けてきたすずは、教えに反することをすると鞭で打たれるなど虐待を受けてきた。ある日、すずは学校で献金袋を盗まれ、お金を借りるために祖母の紀子に会いに行く。そこで虐待の事実を知った紀子と祖父の勝男は、お金を貸す代わりにすずを保護する。

すずは、紀子と勝男から愛されて暮らすことで、「世の人はサタンにそめられている」という教えを疑い始める。しかし教えに疑問をもてば、サタンに堕ちる。それは、すずにとって、母との永遠の決別を意味していた。

一方で、すずは紀子や勝男の話を通して入信する前の母の姿を知る。優しかった母はなぜ変わってしまったのか。自由を手放してまで求めた「ゆるし」とは。恵の知られざる姿を知ったとき、すずの運命が狂いだす。

あまりの“リアルさ”に多くの宗教二世が涙した衝撃作

本作は、当時学生であった平田監督が篠崎誠監督のもと制作。初監督作品でありながら、宗教二世数百名に取材し、リアルさを追求する姿勢に多くの支援者が現れ、制作費用は全額クラウドファンディングで賄われた。本作の主演も平田監督が務めている。

ダブル主演も務めるのは新鋭・安藤奈々子。当時24歳の若さでオーディションに参加し、圧巻の演技を見せ、満場一致で37歳の母親・松田恵役に決まる。また本作の音響監修は平林勇監督作品(映画『aramaki』『Shikasha』)でベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭にノミネートされた飯嶋慶太郎が担当した。

親に誕生日を喜んでもらうこと、辛い時に抱きしめてもらうこと。そして“ゆるされること”。そんな当たり前を最期まで求めたすずの叫びが、あなたの心を打つ。宗教二世、数百名に取材して制作した本作は、そのあまりのリアルさに、試写を見た宗教二世の方からは「開始10分から涙が止まらない」などの声が続出したという。

『ゆるし』は2024年3月22日(金)よりアップリンク吉祥寺にて公開中、全国順次公開

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