【JFAアカデミー福島完全帰還】(中) 県内女子選手 裾野拡大へ

女子小学生向けの体験会でボールを追いかける子どもたち=昨年6月

 JFAアカデミー福島女子は高校年代の18歳以下(U―18)、中学年代の15歳以下(U―15)の二つのカテゴリーに分かれ、各種大会に臨んでいる。U―18は成人年代を含めた全国各地のクラブチームと半年間にわたり、総当たりで競う「なでしこリーグ2部」に参戦している。U―15は高円宮妃杯などが主な活躍の舞台となる。

 アカデミー福島は公式戦の日程との兼ね合いはあるが、将来的には尚志高など県内の高校チームとの練習試合や、女子小中学生との合同練習に取り組むことも視野に入れている。技術に優れたアカデミー生と同じピッチでボールを追う経験は、県内の若い選手にも貴重な学びの場となる。

 アカデミーの帰還に呼応し、県内では女子の育成年代の裾野拡大やレベルアップに生かそうとする動きが出始めている。Jヴィレッジ(楢葉・広野町)は女子が活躍できる場を増やそうと、付属するJヴィレッジスポーツクラブ(JSC)に、U―15女子チームを新設する計画を進めている。

 設立に向けて昨年6月から小学生向けの体験会を定期的に開いている。小学生年代では、男女が同じチームで活動するのが一般的なため、女子に限った体験会は「より落ち着いて打ち込める」などと参加者から好評を得ているという。

 アカデミー女子はJヴィレッジのピッチも練習に使う見通しだ。JSCのジュニアチームで監督を務める斉藤真悟さん(57)は女子チームが軌道に乗った際には、アカデミー女子との合同練習などができないかと考えている。「高い意識を持ち、サッカーと向き合うアカデミー生との触れ合いは地元の選手にとって刺激になるはず」と期待を寄せる。アカデミー生の姿を見て上達を志す児童が増える未来を思い描いている。

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