出張旅費の不正受給で停職、体罰の教諭は減給、三重県教委

 出張旅費の不正受給や出勤簿の偽造をしたとして、三重県教委は22日、小中学校教育課の女性職員(58)を停職9日の懲戒処分とした。また、教え子の頭を殴ってけがをさせたとして、県立かがやき特別支援学校あすなろ分校(津市)の男性教諭(48)を減給10分の1(1月)の懲戒処分とした。

 県教委によると、小中学校教育課の女性職員は令和2年度から同5年度にかけ、小中学校に出張したとする虚偽の出張を上司に報告。9回分の出張旅費として、約5500円を不正に受給した。

 また、女性職員は昨年4月から8回にわたり、本来は派遣先の学校でもらう押印の代わりに自らが用意した印鑑を使って出勤簿を偽造。同課の職員が1月、押印に不審な点があることに気付いて発覚した。

 女性職員は県教委の聞き取りに対し、出張旅費の不正受給について「勤怠管理が不十分だった。不正の意図はなかった」と説明。出勤簿の偽造は「出勤したと思い込んでいた」と話している。

 女性職員は平成18年度から外国人児童生徒巡回相談員として勤務している。県教委は「停職4月相当」と判断したが、今月31日で任用期間を終えることから、処分は「停職9日」となる。

 特別支援学校の男性教諭は2月9日、教室で休み時間中、中学部に所属する男子生徒の頭を右手拳で殴った。男子生徒は頭頂部がはれるけがをした。男性教諭が教頭に報告して発覚した。

 男性教諭は平成24年11月にも、別の特別支援学校で男子生徒の左頬を平手でたたいたとして、文書訓告を受けていた。県教委は2度目の体罰となったことを踏まえて処分を決めた。

 男性教諭は聞き取りに「生徒が言うことを聞かず、腹が立った」などと説明。2度目の体罰をしたことには「日頃は気をつけていたが、その瞬間は抑えられなかった」と話しているという。

 福永和伸県教育長は22日の定例記者会見で「公教育への信頼を大きく損ない、おわび申し上げる」と陳謝。不正受給の対策として、出張旅費の確認作業を徹底させる考えを示した。

 男性教諭が2度目の体罰をしたことには「これまでもアンガーマネジメント研修を受けさせるなどしてきたが、粘り強く指導するしかない。研修などを通じて再発防止に努める」と述べた。

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