五島・玉之浦神楽伝承「未来遺産」に 登録は長崎県内初

子どもかぐら教室で玉之浦神楽の獅子舞を披露する保存会メンバー=2022年8月、五島市玉之浦町、鶴田商店

 日本ユネスコ協会連盟(東京)は22日、地域の文化や自然の継承に向けた市民活動を登録する本年度の「プロジェクト未来遺産」に、五島市玉之浦町の白鳥神社神楽保存会による玉之浦神楽の伝承活動など4件を決定したと発表した。県内の登録は初めて。
 同遺産は2009年から実施。地域住民主体で活動している団体が応募し、専門家が審査する。本年度は19件の応募があり、同保存会や岩手県宮古市の津波防災伝承活動などを登録。これで41都道府県の83プロジェクトとなった。団体は活動のPRなどに生かす。
 玉之浦神楽は400年以上の伝統があり、国の重要無形民俗文化財「五島神楽」の一つ。地元の白鳥神社の例大祭などで宮司らが舞ってきた。高齢化と人口減少により後継者育成が課題で、同保存会は2001年に設立。空き店舗を改装した常設の演舞場を創設。いつでも稽古できる態勢を整え、子どもかぐら教室や市民らを招いた演舞会を開くなどした。
 同連盟は「例大祭の場に限定せず、現状に合う持続可能な形で継承に努め、子どもたちが地元の伝統文化に触れる機会を創り出している」と評価した。
 同保存会の越首伸之介会長(43)は「男女を問わず子どもや国内外の人たちに伝えて多くの人の関心を高めたい。玉之浦神楽の魅力を伝えファンを増やし、受け継いでいく」と語った。

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