沖縄を拠点にするハードコアバンド「B.5.P.(ビー・ファイブ・ピー)」がこのほど、3曲入りシングル「Bx5xPx」をリリースした。初めての音源で、バンド名と同名のタイトルを冠した“名刺代わり”の1枚だ。
沖縄市のゲート通り(Gate2 Street)にあるライブハウス「Remy’s」を中心に活動していることから、自分たちの音楽性を「GATE2 STREET HARDCORE(ゲートツーストリートハードコア)」と表現する「B.5.P.」。音楽に対する思いを、ギターの山城に聞いた。(ライター・長濱良起)
B.5.P.(ビー・ファイブ・ピー)
Vo.忠士、Gu.山城、Ba.ビッキー、Dr.萌ちゃん、Dr.クババからなるハードコアバンド。2019年に「琉大ロック同好会」にて結成後、メンバーチェンジの末、2023年春に現編成となった。出演するイベントによって、プレースタイルの違うドラマー2人のどちらかがスティックを握る“変幻自在さ”が特徴の一つ。沖縄で最年少のハードコアバンドといわれ、若さでシーンを支えている。
一口メモ:ハードコア
重厚なドラムとベース、激しく歪(ひず)ませたギター、強烈ながなり声のデスボイスが特徴の音楽ジャンル。曲のテンポは概して速く、一体となったリフ(繰り返しのフレーズ)でダイナミックなリズムを感じられる。
-初めてのレコーディング作品となりました。
「作品名をバンドと同じにすることで、改めてバンドとしての定義づけができる機会となりました。曲自体は結成当初からあったものです。GOUGE(沖縄で活動する米国人4人組バンド)のドラマー・ジェイソンから『君たち最高だから僕の家でレコーディングしよう』と言ってもらえて、その勢いに乗ることにしました」
-曲を作る時に意識していることはありますか?
「ボーカルの忠士は、ライブ中はマイクを持ったままどんどん客席に突っ込んでいく感じ。暴れさせたらかっこいいと思っているので、そのスタイルが生きるような曲作りを意識しています」
-ドラマーが2人いるというシステムは斬新ですね。
「もともとのドラマーは萌ちゃんだったんですけど、就活などが重なって活動ができない時期があったんですよ。サポートでクババを迎えたら、バンドとしても、対外的にも定着してきて。萌ちゃんは丁寧なプレー、クババはパワフルなプレーが持ち味で、それなら2人ともメンバーでいてもらって、その違いの幅を強みにできないかなと。別のバンドなんじゃないかと思うぐらい音が変わります」
-出演するイベントによってドラマーが入れ替わるんですよね?
「共演に、パンクや縦ノリ系のバンドが多ければ萌ちゃんが出ますし、メタル系で重い感じのバンドが多ければクババが出ます。ハードコアにもポップな要素があるものから激しいものまでいろいろあって、両方やりたいという気持ちがあります。今回の作品はクババがたたいています」
-B.5.P.を表すジャンルとして「ゲートツーストリートハードコア」を掲げていますね。
「ハードコアって、例えば『ニューヨークハードコア』みたいに地域を背負って活動する文化があって、自分たちの場合には何が当てはまるんだろうと考えたんですよね。自分たちは那覇出身だし、コザでずっとやっている方々に失礼にならないかなとは思っていたんですけど、ライブハウスRemy’sのシーンの一員として活動させてもらっていて、バンドのアイデンティティーもそこにあるので、ゲートツーを名乗ってもいいのかなと思っています」