子どもから「わんわん」と声をかけられた際の犬の行動 獣医師が解説

お散歩中に子どもに「わんわん」と言われたときの、愛犬ファーちゃんの反応を投稿した@faa_zooさん。ファーちゃんの行動は「かわいすぎる!」「なんていいコなんだ……」とX(旧Twitter)で話題に!
今回はファーちゃんの飼い主さんにお話をうかがいました。

「いかにも、私がわんわんです」

引用元:@faa_zoo

「散歩中、お子さんに『わんわん』と言われると『いかにも、私がわんわんです。どうぞ好きなだけ見て下さい。怖くないようでしたら触ってください』と言わんばかりにその場から動かなくなる。そして、お子さんの親御さんと私がお互い申し訳なさそうに会釈する。」

この一文とともに投稿されたこの画像。ファーちゃんの表情を見ると、そう言っているように感じますね。

普段からこの行動をよくする人好きなファーちゃん

引用元:@faa_zoo

――撮影時はどのような状況だったのでしょうか?

飼い主さん:
「夕方の散歩中、小さな子どもが『わんわん』と声をかけてくれました。
ファーちゃんはもともと人が好きで子どもにも優しく、その場に立ち止まりその子のほうを見ていました。
その子は触りには来なかったですが、笑って手を振ってくれて、ファーちゃんも応えるように見つめていました」

投稿時のファーちゃんは10才。普段からよくこの行動をするそうです。
初めてこの行動を目撃したとき、飼い主さんはどのように感じたのでしょうか?

飼い主さん:
「10年前、愛護センターから引き取ったときは、ここまで人好きになると思わなかったのでとても嬉しかったです。
2人(1人と1頭?)で築いてきた日々は間違っていなかったな、とも思いました」

普段はおっとりとした「塩デレ犬」

引用元:@faa_zoo

基本はおっとりしているというファーちゃん。こんなに人好きですが、意外にも家では塩対応なんだとか。

飼い主さん:
「家では塩対応なのに、外で私や夫がほかの犬を触ろうとすると、割って入ってくる塩デレ君なんです。自分は相手の飼い主さんに触られにいくんですが……笑
そんな塩対応をしつつも、自分が興味のある食べ物があると、眼をキラキラさせて欲しがるところはとても可愛らしいです。
シニアに入ってきましたが食欲は変わらず、夫が食べていると『自分ももらえますよね?』と言いたげな視線を送っています」

【獣医師解説】散歩中に子どもから声をかけられた際の犬の行動の意味

引用元:@faa_zoo

小さい子どもに「わんわん」と言われた際に、「いかにも、私がわんわんです」と言わんばかりの絶妙な表情をして、立ち止まって動かなくなったファーちゃん。ファーちゃんは普段からこの行動をよくするそうですが、ここからどのような心理や行動の理由が読み取れるのでしょうか。

いぬのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。

岡本先生:
「もともと人が好きだということもあり、体の小さな子どもに対して優しく接した可能性が考えられます。また、『わんわん』という言葉を覚え、自身のことだと学習している可能性もあるでしょう。

そのほかにも、子どもと触れ合ったときの飼い主さんや子ども、まわりの反応が嬉しくて、それを学習して立ち止まって動かなくなったということも考えられます」

ファーちゃんのように、散歩中に声をかけられて立ち止まる犬は多いですが、このときの犬の心境についても岡本先生にうかがいました。

岡本先生:
「犬の性格や状況によって異なると思いますが、警戒する気持ち、かまってもらえるのではないかと期待する気持ち、相手が自身に対してなんで声を発したのか見極めようという気持ちから立ち止まることが多いと思います」

小さな子どもから「わんわん」と声をかけられた犬 「いかにも」といわんばかりの表情が絶妙

写真提供・取材協力/@faa_zooさん/X(旧Twitter)
(監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文/宮下早希

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