坂本花織が日本人初、56年ぶりの世界選手権3連覇の大偉業を達成!! 初出場の千葉百音は7位、吉田陽菜は8位と健闘

世界女王が日本人初の大偉業を達成した。

フィギュアスケートの世界選手権がカナダ・モントリオールで行なわれ、大会3日目の女子フリーは坂本花織が最終グループに登場。56年ぶりの大会3連覇を狙った全日本女王は驚異の222.96点を叩き出し、ショート4位から逆転優勝。プレッシャーに打ち勝った前回女王が日本女子フィギュア界に新たな金字塔を刻んだ。

ショート4位発進の坂本は最終グループの3番手で滑走。今シーズンの集大成に臨んだ。

冒頭は得意のダブルアクセルを華麗に降りると、単独のルッツ、サルコウの3回転ジャンプを着氷。その後も3回転フリップ+2回転トウループ、フリップ+トウループの連続3回転を決めきり、体力的にもきつい後半3つのコンビネーションジャンプも成功すると、会場は大歓声で後押しした。曲の盛り上がりとともに、ラストの3回転ループを降りてフィニッシュした。

ノーミスの完璧な演技を披露すると、直後は感極まったかのような表情でリンクに頭を埋めた坂本。リンクサイドで見守った中野園子コーチも両手で力強くガッツポーズし、坂本を迎えると「よく頑張ったよ」と優しく抱きしめ、ディフェンディング女王を労った。

フリーの得点は149.67点、ショートとの合計222.96点で暫定トップに浮上すると、キスクラでは今季一番のカオリ・スマイルが弾けた。
注目のメダル争いはショート首位だったルナ・ヘンドリックス(ベルギー)がジャンプミスが響き、フリー8位。まさかの200.25点で総合4位と表彰台を逃した。イザボー・レビト(アメリカ)が銀メダルに輝き、17歳のキム・チヨン(韓国)が初出場ながら銅メダルの快挙を成し遂げた。

金メダルが確定した坂本は控え室でレビトとキム・チヨンと健闘を分かち合い、優勝インタビューでは満面の笑顔を観客に振りまいた。3連覇の偉業を飾った世界女王は「少し焦った。今日はいい緊張感の中で1つひとつ集中してできた。この嬉しさを受け止めています」と優勝の喜びを語り、来シーズンも「精一杯頑張ります。ありがとうございました!」と会場に詰めかけた観衆に手を振った。

他の日本勢ではショート13位から千葉百音が巻き返し195.46点で7位。初出場の吉田陽菜はトリプルアクセルを成功するなど、194.93点で8位と意地を見せた。

構成●THE DIGEST編集部

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