富永啓生、日本人男子2人目の大舞台で3P5本含む21得点も…NCAAトーナメント初戦敗退で涙。今後はNBA挑戦へ<DUNKSHOOT>

富永啓生とネブラスカ大の“シンデレラシーズン”は涙とともに終わりを告げた。

現地時間3月22日、全米の大学No.1を決めるNCAAトーナメントの1回戦が各地で行なわれ、サウス地区第8シードのネブラスカ大は第9シードのテキサスA&M大と対戦。富永の21得点(フィールドゴール7/17、3ポイント5/11、フリースロー2/2)も及ばず、83-98で敗れて初戦敗退となった。

日本人男子では八村塁(ゴンザガ大で3年連続出場)以来2人目、ネブラスカ大としても10年ぶり8度目の大舞台。そのチームのエーススコアラーとしてシーズンを牽引した富永は、この試合でも存分に持ち味を発揮する。

開始1分40秒に幸先良く3ポイントを決めると、その次の攻撃で2本目、さらに開始5分30秒には3本目と、最初に放った3本の3ポイントをノーミスで成功。両手で顔を覆うセレブレーションも飛び出し、チームは20-13とリードを奪う。
しかしここから相手の堅守の前に得点が止まると、逆に内外から次々とスコアを許す苦しい展開に。44-58と14点ビハインドで迎えた後半も、富永は2本の3ポイントを含む10得点と気を吐いたが、勢いに乗る相手との差は22点差に拡大。終盤、敗戦が確定しベンチに下がった富永の目には大粒の涙が浮かんだ。

過去7回出場したトーナメントですべて初戦敗退に終わっていたネブラスカ大は、今回も悲願の1勝をあげることはできず。それでも、富永はこの3年間で平均得点を5.7→13.1と伸ばし、今季は最終的に15.1点でフィニッシュ。同校はもちろん、全米に確かな爪痕を残して、大学キャリアを追えた。

NBA入りを目標に掲げるなか、今後は6月26、27日のドラフト指名を目指す。NBA各球団のワークアウトに参加するなど、アピールの場を移すことになるが、たとえドラフトにかからなくとも日本代表の先輩・渡邊雄太のようにキャンプから2WAY契約という道も広がっている。

もちろん、日本代表としては7月27日から始まるパリ五輪も注目。大学シーズンは終わったが、富永にとっては大忙しの夏になりそうだ。

構成●ダンクシュート編集部

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