美肌の秘密はタマネギエキス? 化粧品の開発・販売会社「ティヨル」(南あわじ市八木大久保)が、淡路島の特産、タマネギの成分を配合した化粧品を商品化し、販売を始めた。代表の齋藤千明さん(26)は同市のタマネギ農家出身。2年前に淡路島の観光大使「クイーン淡路」を務めた齋藤さんは「タマネギには美容の効果がある。広く知ってもらい、島の農業を活性化させたい」と笑顔を見せる。(内田世紀)
淡路三原高校(同市)を卒業後、大阪の大学で経済を学んだ。卒論のテーマは「淡路島の地域ブランディングとマーケティング」。島の農業が抱える課題などについて研究した。
卒業後、大阪で働きながら「古里のためにできることを」と2022年、クイーン淡路に応募した。食べて産地を当てる「利(き)きタマネギ」を特技としてアピールし合格。大阪と島を行き来し観光PRに努めた。
同年夏、父が他界。一人っ子の齋藤さんは「実家を守らないと」と帰郷を決意し、タマネギを活用した地域おこしを模索した。
インターネットなどを通じて、タマネギに含まれる成分「ケルセチン」が美容に効果があると知った。「海外では化粧品になっている。タマネギと美容が結びつき、これだと思った」
昨年4月に会社を設立。型崩れなどで規格外のタマネギからエキスを抽出し「オニオン水」を作った。
ブランド名を「NIONE(ニオーネ)」とし、オニオン水をベースに3商品を展開。メーク落としと洗顔の「レイヤークレンジング」は保湿力が自慢。美容液は敏感肌に優しく、はりとつやを保つ。完成したての「ブライトニングクリーム」はしわを改善し、肌に弾力を与えるという。
「タマネギ美容家」を名乗るなどタマネギ愛にあふれる齋藤さん。「タマネギの新たな付加価値ができれば、担い手不足や耕作放棄地の解消につながる」といい「ケルセチンは生活習慣病予防にも効果的。サプリメントや健康食品の開発も進めたい」と夢を描く。
商品はニオーネのホームページで購入できる。