チームに勢いをもたらす福岡大学附属大濠の見竹怜…目指すは「30点を取れるプレーヤーに」

福岡大学附属大濠高校と福岡第一高校の福岡対決となった「第54回全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会」の決勝戦。試合序盤にチームに火を付けたのは、福大大濠の見竹怜(2年)だった。

試合開始から約2分、見竹はドライブなどで連続得点を挙げると、その後も攻撃の手を緩めず得点を重ねていく。積極的な攻めから相手のファウルも誘い、福大大濠の攻撃の中心を担った。

試合は、見竹の活躍もあった福大大濠が第1クォーターで10点のリードを奪うと、最後まで福岡第一に主導権を渡さず。終わってみれば81−54で快勝した。

「福岡第一が速い展開でやりたいというのは知っていることなので、そこで自分たちが受け身になるのではなく、逆に自分たちがやり返してやるぐらいの気持ちで臨みました。その中で自分はドライブを任されていると思っていたので、率先してドライブを仕掛けました」と、試合を振り返った見竹。その言葉どおり、力強いドライブで果敢にリングへ向かって15得点。リバウンドも8本を奪取すると、ディフェンスでもタフな動きで相手を苦しめていた。

一方で、「試合の最初は自分のフリースローが入らず、調子もあまり良くありませんでした。でも、周りがディフェンスを頑張ろうと励ましてくれて、助けてくれたので、決勝は本当にチームメートに感謝しかないです」と、見竹は反省を口にする。また、「(試合の)入りは自分が勢いをつけるためにドライブをするようにしていて、試合の中盤や終盤、チームが困っている時間帯ではディフェンスや声出し、リバウンド面でチームに貢献しようと思っていました」と、大会を通して意識した点について語りながら、これについても「5割ぐらいしかできていない」と厳しい自己評価を下していた。

もちろん、指揮を執る片峯聡太コーチがその奮闘を称えていたように、決勝だけでなく、優勝した今大会での見竹の貢献度は大きい。それでも現状に満足していないのは、目標が上にあることや4月からは3年生となる自覚ともいえる。見竹は「交代で入ってくる選手に対して、もっと声を掛けることが必要だと思います。自分自身もそこまで経験があるわけではないのですが、経験のない選手に声を掛けていかないと。副キャプテンとしてもそうですし、これから最上級生にもなるので、そういうところをしっかりやれたらいいなと思います」と、頼もしい言葉を発した。

見竹は、中学時代はクラブチームのNLG INFINITYに所属。1学年上には川島悠翔(NBAグローバルアカデミー/昨年の3月末まで福大大濠に在籍)がおり、見竹も川島同様にJr.ウインターカップなどで活躍を見せていた。

「強いチームでプレーしたいという思いが強く、片峯先生という素晴らしい指導者の下でプレーしたいとも思って行くことを決めました」と、福大大濠の入学の理由を語った見竹。目指す選手像には、2学年上の先輩の名前を挙げ、こう発した。

「自分が1年生のときに(背番号)7番を付けていた広瀬洸生さん(青山学院大学1年)がドライブが上手で、マネしたいと思ってます」

加えて、「ディフェンス面だったら誰というわけではなく、自分が見てきた先輩たちのマネができるように、日々練習を頑張っています」とも語った。

かつて広瀬洸生も付けていた7番のユニフォームをまとって全九州高校春季大会では存在感を示した見竹。これからに向けては「30点を取れるプレーヤーになるということを片峯先生もおっしゃっているので、それを実現できるように。日々の練習から3ポイントシュートの精度を上げることやディフェンスなどで頑張っていきたいです」と、意気込んでいた。

1試合で30得点を挙げられる選手になるのが目標と見竹は語る [写真]=佐々木啓次

文=田島早苗

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