「無断でお金を引き出したのか?」米ESPNが前言撤回する水原一平氏と交わした“緊迫の一問一答”を新たに詳報!「最後の質問に彼は答えなかった」

当事者だけが知る“緊迫の一問一答”が明かされた。

現地3月22日、米大手スポーツネットワーク『ESPN』の女性記者、ティシャ・トンプソン氏が新たな記事を掲載。『ESPN』はロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平の通訳を務めていた水原一平氏に関して、違法賭博を巡るスキャンダルを真っ先に報じたメディアのひとつ。その最前線にいたひとりがトンプソン記者だ。

同記者はあらためて騒動の経緯を事細かに時系列で紹介。大谷の危機管理担当広報から事件の真相を聞くべく、唯一水原氏と直接コンタクトを取り、90分間の電話インタビューを実現させたのも彼女だった。

当初は大谷が借金を肩代わりしてくれたと証言していた水原氏だったが、翌日になって発言を全面撤回する。20日に韓国ソウルで行なわれたMLB開幕戦、サンディエゴ・パドレスとのゲーム終了後、水原氏はクラブハウスで自身がギャンブル依存症であることを告白し、監督や選手らに対しては球団首脳陣が経緯を説明。大谷はその時点になって初めて、自分の口座から大金が引き出されている事実を知ったと報じられている。

その後、最初のインタニューに立ち会っていた大谷の広報が水原氏の発言は偽りだと訴え、大谷の弁護団が水原氏による「大規模な窃盗」があったと主張。事態が急転するなか、トンプソン記者はふたたび水原氏に電話をかけたが、「前回と違って彼は多くを語ろうとしなかった」。「あなたは私に嘘をついたんですか?」と問うと、「そうです。翔平は何も知らなかったんです」と返答したという。
そして続くのが、『ESPN』記者たちとの以下のような一問一答だった。

ESPN「あなたはこれまでに窃盗や横領で告発されたことがありますか?」
水原氏「何もコメントしないように言われています。明らかに今回の件に関しては、すべての責任が自分にある。どんな結果にも対峙する覚悟はできています」

ESPN「大谷はいつこの状況を知ったのか?」
水原氏「これも答えられません」

ESPN「それは大谷の代理人が禁じている? それともあなたの代理人ですか?」
水原氏「いいえ」

ESPN「私にこういう風に話すことで、なにかしらの報酬を得るのですか? 契約などを交わしたとか?」
水原氏「いいえ」

ESPN「あくまで自分の意思で話している?」
水原氏「はい」

ESPN「野球には賭けていたのですか?」
水原氏「いいえ」

ESPN「翔平にも嘘をついていた?」
水原氏「はい」

ESPN「意図的に翔平に誤った情報を与えていたのですか?」
水原氏「いいえ、そんなことはしていません」

そして最後にESPNの記者が「翔平の口座から本人の知らないうちにお金を引き出したのか?」とテキストメッセージで問いかけると、水原氏はその質問に対して「返事をしなかった」という。

現地金曜日になってMLBは大谷と水原氏の双方に対して、具体的な調査に乗り出すとの声明を発表した。ドジャースと大谷にとって、公式戦再開まであと5日。それまでになんらかの裁定が下されるのではないかと、複数の米メディアは見ているようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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